フルカチュがウインブルドン準々決勝の舞台で憧れの選手フェデラーと対決「本当に素晴らしいこと」
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス4回戦で、第14シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)が第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を2-6 7-6(2) 3-6 6-3 6-3で倒してベスト8最後の一席を確保した。
ロジャー・フェデラー(スイス)がウインブルドンで最初のタイトルを獲得したとき、フルカチュは6歳だった。そして水曜日、24歳になった彼は聖地で9度目の優勝を目指すフェデラーの挑戦を阻もうとすることになる。
初のグランドスラム大会準々決勝をプレーすることだけでは特別ではないとでもいうかのように、フルカチュはセンターコートで彼と彼の世代が憧れながら育った選手と対戦することになったのだ。
「ロジャー…。彼がやること、彼のプレーの仕方、彼が勝ち獲ったタイトル――彼は本当に多くの人々にインスピレーションを与えてきた。コートに出て行き、彼に対して準々決勝をプレーできるなんて本当に素晴らしいことだ」とフルカチュはコメントした。
この試合は月曜日に屋根のない2番コートで始まったが雨により第4セット途中で中断し、翌日に屋根を閉じたセンターコートで再開された。これは月曜日に終わらなかった唯一の4回戦の試合で、フルカチュは準々決勝の前に丸1日の休息日がなかった唯一の男子選手ということになる。
しかし彼が手に入れたのは、初めてセンターコートでプレーするチャンスでもあった。それはここ20年というものその神聖なコートの常連だった39歳のフェデラーに対する戦いの準備をする上で、特に重要なことだったとも言えるだろう。
「今日ここでプレーできたことは、助けとなるかもしれない。おかげで屋根が閉じたときのインドアのコンディションや大きなコートの状況、そこでのボールのバウンド具合や多くの観客などに少し慣れることができた訳だからね」とフルカチュは語った。
新型コロナウイルス(COVID-19)に関する規制は緩められ、この日は大会開始以来初めて収容人数いっぱいまで入場することを許された観客たちは強打で攻めるメドベージェフに対して頻繁にネットを取ったフルカチュの古典的なスタイルを高く評価した。フルカチュはネットプレーで50ポイントを取り、そのうち10本はサーブ&ボレーからのものだった。
もっともそれは、永遠のファンの寵児であるフェデラーに対する試合で観客を味方につけるには十分ではないかもしれない。
「少しは応援してもらえるように願っているよ」とフルカチュは笑いながら言った。
フルカチュはこれ以前に一度だけ2019年インディアンウェルズ準々決勝でフェデラーと対戦したことがあり、その際にはストレートで敗れていた。彼らはディフェンディング・チャンピオンで第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がマートン・フチョビッチ(ハンガリー)と対戦したあと、センターコートでプレーすることになる。
1番コートで行われる準々決勝では第10シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)が第25シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)と、第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)は第16シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)と顔を合わせる。
センターコートも1番コートも開閉式の屋根を持つが、それは便利なものとなるかもしれない。というのも天気予報によれば、水曜日も雨が降る可能性があるからだ。(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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