【東京2020向け|テニスのルール】
①第1打のサービスはノーバウンドで打ち、対角線のサービスエリアに入れてポイントは始まる。②サーバーは【フットフォールト】してはいけない(別項に詳細)。③サービス後はシングルスの場合、赤枠のシングルスコート(ダブルスの場合は外側のラインまで使ってダブルスコート)にボールを入れ、ポイントが決まるまでプレーする。
SCORE|スコアの数え方
テニスの試合は【ポイント】→【ゲーム】→【セット】→【マッチ】の順に進行していく。
注目!暑熱対策で男女とも3セットマッチ
MATCH|マッチ
【3セットマッチ】は、3セットのうち、2セットを先に取ったほうが勝者となる。オリンピックの男子シングルスはこれまで、メダルがかかった試合はグランドスラムと同じで5セットマッチだったが、東京オリンピックでは暑熱対策、複数種目プレーする選手を考慮し、全試合3セットマッチで行う。
①第1打のサービスはノーバウンドで打ち、対角線のサービスエリアに入れてポイントは始まる。②サーバーは【フットフォールト】してはいけない。③サービス後はシングルスの場合、赤枠のシングルスコート(ダブルスの場合は外側のラインまで使ってダブルスコート)にボールを入れ、ポイントが決まるまでプレーする。
POINT & GAME|ポイントとゲーム
【ポイント】は、0=ラブ、1ポイント=15(フィフティーン)、2ポイント=30(サーティー)、3ポイント=40(フォーティー)、4ポイント取ると【ゲーム】になる。サーバー対レシーバーの順でコールし、お互いが3ポイントずつ取ると3-3=40-40で【デュース】。デュースの次のポイントを取ったほうが【アドバンテージ】。コールは「アドバンテージ-名前(一般プレーヤーはサーバーorレシーバーと言うことが多い)」。アドバンテージのあと次のポイントも取ると【ゲーム】の勝者になる。デュースはどちらかが2ポイントの差をつけるまで続く。
END CHANGE|エンドチェンジ
プレーヤー(チーム)は、奇数ゲーム(第1ゲーム、第3ゲーム、第5ゲーム…)、またはセットが終了したらエンドを交代する(【エンドチェンジ】)。セットが終了したとき、合計ゲーム数が奇数ならエンドチェンジするが、偶数の場合は、次のセットの第1ゲームが終了するまでエンドチェンジしない。【タイブレーク】中は6ポイントごとにエンドチェンジする。
SET|アドバンテージセットとタイブレークセット
相手に対して2ゲーム以上の差をつけて先に6ゲームを取る、または2ゲームの差がつくまでそのセットを続けるのが【アドバンテージセット】。一方、6-6になったら第13ゲームを【タイブレーク】で行うのが【タイブレークセット】。
TIEBREAK|タイブレーク
ゲーム数が6-6になったときに、試合に決着をつける方法のひとつが【タイブレーク】。タイブレークは第13ゲームにあたり、続きのサーバーがデュースサイドから、まず1ポイントだけプレーする。その後のサーバーはアドバンテージサイド→デュースサイドの順で2ポイントをプレーして相手と交代する。この方法で7ポイント先に取ったほうがゲームを獲得する。ポイント数が6-6になったときは2ポイント差がつくまで続ける。「0(ゼロ)」「1(ワン)」「2(ツー)」…のように数える。コールはスコアが多いほうを先に「ワンーゼロー名前」の順。同点のときは「ワン・オール」。ポイントスコアが例えば「7-4」で決着がついたら、表記は7-6(4)のようにカッコ内に少ないポイントのほうを書く。
※ダブルスの第3セットは10点先取タイブレークのみを行う(スコアは10-8など、このタイブレークも2ポイント差がつくまで続ける)。
SUSPENDED GAME|サスペンデッド・ゲーム
雨や日没など天候によって試合が一時中断し、そのまま翌日以降に順延される試合。
SERVER|サービスの仕方
サービスの順番は【トス】で決める。最初にボールを打つプレーヤーがサーバー、サービスを返球するプレーヤーがレシーバー。1ゲーム交代。サーバーは1ポイントにつき2球持ち、最初のサービス(ファーストサービス)がサービスエリアに入ればポイント開始、入らなければ【フォールト】で、2球目のサービス(セカンドサービス)を打つ。2球続けて【フォールト】したら相手のポイント。
TOSS|トス
プロの試合ではコイントスを行う。【トス】に勝ったほうが次の3つの中から先に選択できる。①第1ゲームでサーバーになるかレシーバーになるか選ぶ、②第1ゲームのエンドを選ぶ、③トスの敗者に権利を譲る。
LET|レット
①サービスがネットに触れたがレシーバー側のサービスコートに正しく入った場合。または、それらに触れたあとレシーバーまたはそのパートナーの着衣、持ち物に触れた場合。②レシーバーが返球の用意をしていないときにサービスを打った場合、【レット】になり、そのサービスをやり直すことができる(その1つ前の【サービスフォールト】を取り消すことはない)。
FAULT|フォールト
サービスが正しいサービスエリアに入らなかったとき、ネットに当たって自コートに落ちたとき、空振り等、打とうとしたが打てなかったとき。サーバーのパートナー(ダブルス)に直接当たるか、または着衣、ラケットに振れたとき。または【フットフォールト】したとき。
FOOT FAULT|フットフォールト
サービスのモーション(開始から終了まで)の間、①歩いたり走ったりして、立っているポジションを変える(足を少し動かすくらいは構わない)、②ベースラインまたはその内側のコートを踏む、③サイドラインの仮想延長線外側の地面に触れる、④センターマークの仮想延長線を踏むと【フットフォールト】になる。
KEEP|キープ
サービスゲームを取ること。「サービスキープ」と言う。
BREAK|ブレーク
相手のサービスゲームを奪う(破る)ことを【ブレーク】、奪われたサーバーは「サービスダウン」、相手のサービスゲームを奪い返すことを「ブレークバック」と言う。
注目! 5面で採用
CHALENGE SYSTEM|チャレンジ・システム
審判のラインコールに不服がある場合、デジタル画像による自動ライン判定を要求できる。「エレクトロニック・レビュー・システム」または「ホークアイ」「チャレンジ」と呼んでいる。東京オリンピックでは5面で採用(パラリンピックは3面)。プレーヤーの要求(オーバールール)は、エンディングショットあるいはプレーヤーがプレーを停止したときに限る(返球は許されるが、そのプレーヤーは返球後、ただちにプレーを停止した場合に限る)。コート上のスクリーンに最終ショットとラインの画像が表示され、あらためて判定される。各セット3回まで利用でき(【タイブレーク】に突入した場合は1回増える)、成功する(主張が正しい)と回数は減らず、失敗すると1回ずつ減っていく。プレーヤーが不必要に要求したり、タイミングよく要求しなかった場合は、審判は拒否できる。
プレーヤーは審判に速やかに「チャレンジ」を要求。多くのプレーヤーは審判に対して片手を上げてサインを送る
少しでもラインに触れたボールはコート内に正しく入ったものとみなされる
スコアボードに「CHALENGE」の回数が表示される
注目!東京オリンピックで働く人たち
審判員総数1日あたり約200人
ボールパーソン1日あたり約200人
トレーナー 14人(ITFから男女各3人、JTAから男女各4人)
ドクター 複数人
東京オリンピックのボールパーソンは4年前から育成してきた精鋭たち。1試合に最大6人入って途中で交代していく
UNFORCED ERROR|アンフォーストエラー
直訳すると「(相手に)強制されないエラー」。自分に原因があっておかしたミス。相手に強いられたミスは「フォーストエラー」。
NOT UP|ノット・アップ
2バウンド以上で返球すると【ノット・アップ】で失点となる。
注目!「One Four One」
WARMING UP|ウォーミングアップ
東京オリンピックでは、1分→4分→1分の「One Four One」でウォーミングアップが行われる。【トス】→ウォーミングアップ→ベンチに戻って準備をして試合開始。通常ツアーでは、1分→5分→1分の「One Five One」。
注目!男子も休憩できるように
HEAT RULE|ヒート・ルール
環境省の「暑さ指数(WBGT) 予測値等、電子情報提供サービス」が1時間ごとに提供する大会会場にもっとも近い地点でのWBGTを参考に、ヒートルールを採用する。東京オリンピックの場合、レフェリーやメディカルチームが対応を決めることになる。採用されると第3セットの前に10分間の休憩が入る。通常のツアーでは女子で採用されていて、男子は今大会が初。試合の流れにも影響することなので注目したい。
暑さ対策として各コートに全豪や全米でも使用されている冷風機を導入。冷蔵庫、バレル(水や氷)も用意し、エンドチェンジの際はボールパーソンが日傘で選手を守る
COACHING|コーチング
プレーヤーは試合中にいかなる方法でもコーチングを受けてはならない。
CODEVIOLATION|コードバイオレーション
選手が守るべきルール(例えばゲームの遅延行為や【コーチング】など)を守らなかったり、スポーツマンシップ、マナーなどに反する行為に対するもの。1回目は警告、2回目は失点、3回目以降1ゲームを失う。
TIME VIOLATION|タイムバイオレーション
サーバーがスローペースでポイント間の25秒、エンドチェンジの90秒、セット間の120秒の時間を守らない。またはレシーバーがサーバーを待たせて構えないなどのときに【タイムバイオレーション】が科される。1回目は警告、2回目以降は失点。状況によって考慮されることもある。
注目!オリンピック初採用
SHOT CLOCK|ショット・クロック
ポイント間の25秒を目に見える形で計測する機械。オリンピックで初めて採用される。最大秒数の25秒が表示され、カウントダウンされていく。選手は25秒以内にポイントを始めなければいけない。時間を守らないと【タイムバイオレーション】が科される。
TOILET BREAK|トイレットブレークと着替え
男女ともセットブレーク時に【トイレットブレーク】をとることができる。ただし状態が深刻と審判が判断したときは、そのプレーヤーのサービスゲームの前に緊急措置としてとることができる。3セットマッチの場合、男子は1回、女子は2回、ダブルスでは男女ともペアで2回まで。【着替え】はセットブレーク時に女子のみコートを離れることが許される。時間は男女とも理に適った時間内(大会によって設定可)で済ませることになっている。
MEDICAL TIMEOUT|メディカルタイムアウト
選手は1試合につき、ひとり1回のメディカルタイムアウト(3分間の手当)がとれる。【エンドチェンジ】の90秒、セットブレークの120秒に手当を受けたり、ドクターから医薬品を受け取ったりできる。手当は2回までならメディカルタイムアウトの前でも後でもとることができ、その2回は連続するエンドチェンジでなくてもよい。ただし、手当のできない症状の場合には適用されない。
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