オリンピック・パラリンピックのためにデザインされたテニス会場は、大会終了後、一般プレーヤーが使用できるように改修工事に入ります。あらためてお披露目になるのは来年からになりそうです。現デザインの会場は無観客となった今、一般の目に触れることなく、その役目を終えることになります。そこで、もったいないから、ここで行った気になれ!

取材協力◎中川淳(TOKYO 2020 テニス/車いすテニス競技スポーツマネージャー) 構成◎編集部 写真◎Getty Images

有明テニスの森(東京オリンピック仕様)
サーフェス◎ハードコート(DecoTurf)
使用コート面数◎試合用12面、練習用アウトドア8面、インドア6面



会場オープンは競技開始5日前の19日
コロナ禍のため会場オープンは競技開始の5日前から。19日から23日までの試合前練習は、選手たちが全コートを使って調整することになりそう。
4m×4mの巨大ドローボードを製作中、5種目並べると横20mのサイズに
「迫力あるトーナメント表をファンのみなさんに見てほしかったです」と中川スポーツマネージャー


試合はセンター、1、2番、3〜11番コート
各コートに国際放送のカメラが入る。センターから4番コートまでの5面はホークアイ(自動ライン判定)を設置。パラリンピックはセンターから2番コートまでで、ホークアイの使用は大会史上初となる。
エスコートボランティアが選手を誘導
オリンピック34競技の中で、選手と観客が交わる可能性がある競技はテニスとゴルフだけ。無観客となる前は、エスコートボランティアが選手を囲んで守り、移動する予定だった。会場が広いので選手の移動用にゴルフカートを20台用意している。
センターコート下に選手が取材を受けるミックスゾーン
テニス選手は試合後に記者会見ルームでインタビューを受けることに慣れているため、オリンピックならではのルール、ミックスゾーンでの取材を忘れてしまうことがある。今大会は移動カートの終着点がミックスゾーンになっている。
選手ラウンジはセンターコート横とインドアコート(2面)に設置
テニスはその日のスタートの試合以外、開始時間が決まっていないことがほとんど。選手は会場で長い時間を過ごすことも多く、リラックスできる空間を用意。インドア2面を使って、選手ラウンジ(冷房あり)にし、卓球台、バスケットボールゴール、サッカーゴール、テレビゲームのほか、トレーニングジムも完備。
コロシアム北側にダイニング、トレーニングジムエリア、ストリング張り替え部屋
大会後の改修でサーフェスの色が変わるかもしれない
1番コートには仮設スタンドを追加していて、2番コートから11番コートまでは2面分のスペースに1面+観客席をつくっているため、大会後の改修で仮設スタンドを取り除き、「1面+観客席」のコートは2面に戻す。サーフェスの“オリンピックブルー”がそのまま採用されるかどうかは現時点でわからない。


大会組織委員会は大会をブランディングする中で各競技を色分けしている。テニスは水泳などとテーマカラーが同じで“藍色”。ご覧のようにブルーのグラデーションが美しい会場になった。オーストラリアン・オープンやATPファイナルのブルーのテニスコートと重なる。

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