オリンピック体験を謳歌するジョコビッチが選手村での生活について語る「僕にとって本当に素晴らしい時間」 [東京2020]
1年遅れでの開催となる世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)の大会5日目は、男子シングルス3回戦と女子シングルス準々決勝および男女のダブルス準々決勝などが行われた。
彼はベルギーの体操競技チームと一緒にストレッチを行い、トルコのバレーボール選手にメンタル強化のアドバイスを与えている。同胞のセルビア人がテコンドーで金メダルを獲得したとき、部屋に集まった代表チームのメンバーたちと大いに叫んだ。そして彼は、南アフリカのフィールドホッケーの選手たちや他の世界中からのオリンピアンたちと一緒に写真を撮っている。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は自身4度目のオリンピックで、ここでしか味わえない経験に浸りきっている。
「僕は一瞬一瞬を楽しもうとしているよ。1万人以上のアスリートとオリンピック村で暮らし、人生やスポーツについての知識と経験を交換し合っているんだ。他のどの場所でも、このような経験は得られないからね」とジョコビッチはコメントした。
「テニスのような個人スポーツのアスリートとして、僕はこのような経験ができることに本当に感謝しているよ。そこから可能な限りたくさんのポジティブなエネルギーを取り込もうとしているんだ。僕にとって本当に素晴らしい時間だ」
ここまでのところジョコビッチは、テニスコートにそのエネルギーを持ち込むことに何の問題も抱えていない。彼は水曜日に第16シードのアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)を6-3 6-1で下し、準々決勝に駒を進めた。
今大会でのジョコビッチは同じ年に4つのグランドスラム大会すべてのタイトルとオリンピック男子シングルスでの金メダルを獲り、『ゴールデンスラム』を成し遂げる最初の男子プレーヤーとなることを目指している。
すでにオーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウインブルドンを制しているジョコビッチは、この類いまれなコレクションを完成させるために東京オリンピックとUSオープンで優勝する必要があるだけだ。この偉業を成し遂げたのは、1989年のシュテフィ・グラフ(ドイツ)しかいない。
他のスポーツのアスリートたちは、どうやって精神力を維持し続けているかについてジョコビッチに質問を浴びせている。
「最初の夜は、セルビアの女子バスケットボールの選手と柔道の選手だった。ほかにもいろんなスポーツの選手がいたよ。彼らは精神的な強さやプレッシャーに対処する方法やテクニック、競技中に集中力を失ったときに奮起するにはどうするかを理解する方法は何かについて興味津々で僕に尋ねてきたんだ」とジョコビッチは明かした。
「だから僕は、そのことについて大いに話したんだ。でもそれは、アスリートたちだけのための秘密にしておくよ。アスリートオンリーだ」
シングルスの試合を終えたジョコビッチはミックスダブルスの初戦に臨み、パートナーのニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)とも戦略を分かち合った。ふたりはルイーザ・ステファニー/マルセロ・メロ(ブラジル)を6-3 6-4で退け、8強入りを決めた。
オリンピックに参加し準々決勝に勝つということは、メダルラウンドに入ることを意味する。ジョコビッチがオリンピックで獲得したメダルは、初出場だった2008年北京大会男子シングルスでの銅メダルのみとなっている。
今年のウインブルドンで優勝してロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)に並ぶ20回目のグランドスラム制覇を果たしたジョコビッチは、東京オリンピックに参戦した唯一の『ビッグ3』のメンバーだ。
オリンピックではフェデラーがスタン・ワウリンカ(スイス)と組んだ男子ダブルスで2008年北京オリンピックで金メダルに輝き、ナダルは北京でのシングルスとマルク・ロペス(スペイン)とのペアで臨んだ2016年リオデジャネイロ五輪の男子ダブルスで金メダルを獲得している。
東京でジョコビッチがもうひとつのメダルを獲得すれば、セルビア代表チームが選手村でお祝いするための完璧な理由となるだろう。正確に言えば、ジョコビッチは常に選手村で寝泊まりしている訳ではない。
「僕は選手村とホテルを行ったり来たりしているんだ。でも基本的には毎日、選手村で過ごしているよ。ホテルは主に寝るためと朝のルーティンを行うために利用し、その他の時間はいつも選手村にいる感じかな。何故ならそれは本当に特別な場所だからね」と彼は語った。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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