男子ダブルスは関東の雄が顔を揃える中で今里翔吾/鳥井俊作(長崎)が4強入り [北信越インターハイ]

今里翔吾/鳥井俊作(海星)は「マジか!」の4強進出(写真◎BBM)


 長野県松本市を舞台に開催されている北信越インターハイ「第78回全国高等学校対抗テニス大会(団体)」「第111回全国高等学校テニス選手権大会(個人単複)」の大会5日目の男子は個人戦ダブルスの1~3回戦と準々決勝が行われ、早くも4強が決定。1・2回戦は1セットマッチ、3・4回戦は8ゲームズプロセットで戦われた。

 64ドローが一気に4組まで絞られる一日。トップシードの丹下颯希/薦田直哉(新田)が初戦で姿を消す中で第2シードに当たる堤野竜司/野口聡太(柳川)は順当に準々決勝へ駒を進めたが、海星(長崎)の今里翔吾/鳥井俊作を相手に序盤は試合をコントロールしながら6-8で敗れてベスト4入りはならなかった。

団体、個人シングルスで敗れていた柳川の堤野/野口は最後の牙城を守れず(写真◎BBM)

 団体ではともにシングルスを担う今里と鳥井にとっては想定を上回る快進撃。齋藤駿斗/五十嵐涼太(仙台育英)との1回戦で4-5ダウンから7-5で辛くも勝利をもぎ取るなど、いつ負けてもおかしくないという覚悟の中での4強入りだった。

 準々決勝で戦った堤野/野口とは九州大会の同じく準々決勝で「ベストを尽くしながら」敗れていた。それだけに今里は「本当にチャレンジャーとして臨むことができた」。序盤は2-5とリードを許しながら、「前半はリターンを置きにいっていたが、後半は前に前にいったのが相手のプレッシャーになったと思う」と鳥井。そこから4連続でゲームを奪うと、最後は8-6で押しきった。

 準決勝に向けても今里が「チャレンジャー精神で楽しくやりたい」と笑顔で語れば、「あと2回勝って終わりたい」と鳥井は巡ってきたチャンスを掴むことを誓っていた。

小泉/須田(浦和麗明)は準決勝からさらにギアを上げるつもりだ(写真◎BBM)

 シード四隅の一角を担った小泉熙毅/須田悠仁(浦和麗明)も、勝田匠/野村侑平(日大三)を8-5で下してしっかりと準決勝に駒を進めた。ただ、前日の個人シングルスでは8強入りを果たして「いいプレーができている」と笑顔を見せていた小泉は、「ファーストサービス、ファーストボレーの確率が低く、思うようなプレーができなかった」と不満顔だ。

 そんな小泉に「それでも僕は引っ張ってもらって、助けてもらった場面が多かった」と須田。「準決勝からは逆に僕が引っ張っていけるように」という須田に対し、「反省点は多かったので、しっかり修正して単複2冠を目指したい」と小泉は気持ちを引き締めていた。頂点を見据える小泉/須田と、無欲のチャレンジャー・今里/鳥井の戦いはどちらに勝利の女神が微笑むか。

 もちろん、もうひとつの準決勝も注目のカードとなった。準々決勝で菅谷優作/有本響(慶應義塾)は9-7で玉城勇稀/岡崎奎太(沖縄尚学)を振りきり、石川真輝/山田矢音(東海大菅生)は佐々木康大/高畑里樹(相生学院)を8-5で制してベスト4に名を連ねた。

4強入りを果たした菅谷/有本(慶應義塾)(写真◎BBM)

 ともに団体では悔しい結果に終わった東京の古豪と神奈川王者のダブルエースのペアが激突する。関東大会でもやはり準決勝で顔を合わせ、東海大菅生の石川/山田が7-6(4)で勝利。さらに言えば、決勝では石川/山田を浦和麗明の小泉/須田が8-5で退けて関東王者に輝いている。小泉と同じく石川にとっても単複2冠をかけた残る2日間の戦いとなる。

石川/山田(東海大菅生)は関東大会のリベンジを誓う(写真◎BBM)

 関東大会の激戦をそのまま全国に持ち込んだかのような男子ダブルスの熱戦。その中で九州の伏兵として今里/鳥井がどう戦いをかき回していくのか。見逃せない戦いが続いていく。

 大会6日目となる8月7日は浅間温泉庭球公園で、男女シングルスの準々決勝・準決勝、男女ダブルスの準決勝が8ゲームズプロセットで行われる。試合開始時間は9時の予定。

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編集部◎杉浦多夢 写真◎BBM

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