足の手術から回復過程にあるワウリンカが欠場し、2012年チャンピオンのマレーがUSオープン本戦出場圏内に浮上

写真は東京オリンピックに向けて会場で練習中のアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 もうひとりの元チャンピオンであるスタン・ワウリンカ(スイス)が未だ足の手術からの回復過程にあることを理由に欠場を決めた月曜日、アンディ・マレー(イギリス)はUSオープン本戦出場圏内に浮上した。

 元世界ランク1位のマレーは2012年のニューヨークを含め、グランドスラム大会を3度制した実績を持っている。彼のランキングはここ数年で2度の股関節手術を受けたあと、トップ100位以下に滑り落ちていた。現在105位のマレーが直近でプレーしたUSオープンの2大会(2018年、20年)では、いずれも2回戦で敗れていた。

 スコットランド出身で34歳のマレーは鼠径部のケガで3ヵ月の休止を強いられたあと6月にツアー復帰を果たしてウインブルドンで3回戦に進出したが、7月25日に右大腿四頭筋の問題を理由に東京オリンピックのシングルスを欠場した。マレーはロンドンとリオデジャネイロの男子シングルスで金メダルに輝き、2012年ロンドン五輪ではローラ・ロブソン(イギリス)と組んだミックスダブルスでも銀メダルを獲得していた。

 東京オリンピックでのマレーはジョー・ソールズベリー(イギリス)とのペアで男子ダブルスに出場し、準々決勝に進出した。

 先月のウインブルドンで最終的に準決勝まで勝ち進んだデニス・シャポバロフ(カナダ)に3回戦で敗れたあと、マレーは自分の未来がどのようなものになるのかについて悲観的になっていた。

「ここ3ヵ月にこれほど膨大な努力を積んだにもかかわらず、最終的には自分が望むような期待通りのプレーができなかったと感じている自分がいる。『これはやる価値があるのか?』という気になるよ」とマレーはその際に発言した。

「練習して自分のテニスを改善し、試合をこなして大会で勝ち進んでいくことができなければ、あのトレーニングやジムでしているすべての努力はやる価値があるものなのか?」

 全米テニス協会(USTA)はまた、パトリシア マリア・ティーグ(ルーマニア)が今年の大会でプレーしないことを同日に発表した。ティーグは変わらず背中のケガを抱えており、代わりにクレア・リュー(アメリカ)が本戦に入ることになった。

 36歳のワウリンカは2016年のフラッシングメドウでタイトルを獲得したが、そのあとはグランドスラム大会で優勝できていない。ワウリンカは3月のカタール・オープン初戦でロイド・ハリス(南アフリカ)に敗れたのを最後にツアーでプレーしておらず、今季の戦績は3勝3敗となっている。

 その直ぐあとに左足の手術を受けたワウリンカは、6月にも同じ足に処置が必要になった。彼は現在31位で、もしUSオープンに出場すればシードがつくはずだった。

 今年最後のグランドスラム大会であるUSオープンは、8月30日に開幕する予定になっている。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles