「やる価値があるのか?」マレーが自分自身への疑問を抱えてウインブルドンを去る

写真は3回戦敗退後の記者会見でのアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の大会5日目は、男女のシングルス3回戦などが行われた。

 元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)は4年の不在期間を経てウインブルドンのシングルスでプレーできたことを喜び、今週は新しいケガを負うことなく3試合を終えて彼への応援を惜しまない観客の前でプレーできたことに満足していた。

 それでも金曜日の夜にセンターコートで第10シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に4-6 2-6 2-6で敗れたあと、マレーは自分自身にかなり憂鬱な疑問を問いかけた。

「ここ3ヵ月にこれほど膨大な努力を積んだにもかかわらず、最終的には自分が望むような期待通りのプレーができなかったと感じている自分がいる。『これはやる価値があるのか?』という気になるよ」とマレーは発言した。

「練習して自分のテニスを改善し、試合をこなして大会で勝ち進んでいくことができなければ、あのトレーニングやジムでしているすべての努力はやる価値があるものなのか?」

 それから彼は、ある答えを提供した。

「僕の中には、『そうだ、価値がある』と感じている部分があるんだ。何故なら僕はこの大会で素晴らしい思い出があり、素晴らしい雰囲気の中でプレーしたのだから。しかしまた、今夜の試合を終えたときに僕は自分のチームに『自分のプレーぶりに満足していない』と言ったんだ」

 34歳のマレーは最新のケガである鼠径部の問題ために3ヵ月ほど戦線から離れたあと、ごく最近になってツアーに戻った。

 これまででもっとも深刻だったのは、2度の手術を必要とした股関節の問題だった。そのせいで彼は、2017年を最後にウインブルドンのシングルスでプレーしていなかったのだ。それは彼がオールイングランド・クラブで2度目の優勝を果たした翌年に起こった。

 有名な最初のウインブルドン制覇は2013年に実現し、彼は同種目で77年ぶりのイギリス人チャンピオンとなっていた。

 マレーは今大会を第24シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)に対する4セットの勝利で始め、それから予選勝者のオスカー・オッテ(ドイツ)を4時間近くかかった5セットマッチで倒した。

 しかし3回戦の彼は左利きの強敵に対して互角の戦いに持ち込むことができず、22歳のシャポバロフはウインブルドンで初の16強入りを決めた。

「僕自身がチームと一緒に自分がある程度の期間で安定して試合ができる方法を見つけ、僕が彼らのような強敵たちと張り合えるように練習しない限り、次に何をすべきかの話し合いをするときがくるだろう。何故なら僕は、ここに至るまでに本当に多くの努力をつぎ込んできたのだからね」とマレーは語った。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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