快調な出だしも失速したフェデラー「勝つチャンスは3%程度だと分かっていた」 [オーストラリアン・オープン]

 セット後のコートチェンジの際にフェデラーはメディカル・タイムアウトを取り、サングレン戦でもそうだったようにトレーナーとともにコートから去った。ジョコビッチはコートサイドに留まって、自身もトレーナーを呼んでチェックを受けた。

 試合が再開されたとき、フェデラーは第1セットのときほどシャープでもなければ自信にも満ちてもいなかった。彼はリターンで前に出たり、あまり理想的ではないドロップショットを打ったりと、ポイント獲得への道をショートカットしようと努めた。彼はその後、1度もブレークチャンスを生み出すことができなかった。

 ジョコビッチは最後のゲームでブレークを果たして第2セットを取ったが、最後の2ポイントは壮観だった。最初に彼は鋭いリターンに続いて左方向にダッシュし、スライドして体を伸ばしてバックハンドのパッシングショットを放った。彼はそのポイントを取るどころか、ラケットをボールに当てられなくても不思議ではないほどだったのだ。

 それから彼はフェデラーからの短いボールに反応し、猛烈に走ってフォアハンドのはたくようなクロスショットを決めて2セット連取とした。ジョコビッチはアッパーカットを突き上げ、大声で「カモン!」と雄叫びを上げた。

 ふたりはさらに30分ほどプレーしたが、試合の残りの部分はスコアを決めるためのもので、誰が勝つかではなかった。

「今日は、彼が上だった」とフェデラーは脱帽するしかなかった。「それは疑いのないことだよ」。

「今日はひどかった。自分のやったことを振り返るとね…。入り方はよかった。出だしはよく、幕切れも悪くなかったが、その間は忘れたいものだった。勝つチャンスは3%程度だと分かっていたからね」とフェデラーはコメントした。彼は試合前にチームとどれくらい悪化したらプレーを止めたほうがいいかについて話し合ったと打ち明けた。

「一度その限界がくるのが見えたら、もはやうまくいくことはない。辛いよ」

「僕はただ、今夜プレーしに出てきたロジャーに敬意を払いたい。彼は明らかに体を痛めていた」とジョコビッチは相手を労わった。「彼はベストの状態ではなかった」。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア/右)とロジャー・フェデラー(スイス/左)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 30: Novak Djokovic of Serbia shakes hands with Roger Federer of Switzerland after their Men's Singles Semifinal match on day eleven of the 2020 Australian Open at Melbourne Park on January 30, 2020 in Melbourne, Australia. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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