大坂なおみがシンシナティの賞金をハイチに寄付すると発表「私ができると思った最初のこと」

写真は東京オリンピックでの大坂なおみ(日清食品)(Getty Images)


 大きな被害が出たハイチでの大地震の救援活動のために賞金を寄付することに加え、大坂なおみ(日清食品)は何かほかにできることがないか模索している。

 月曜日にウェスタン&サザン・オープンの記者会見に応じた大坂は、「自分があまり多くのことをしていないような気がします。私は自分に何ができるのか考えているところです。賞金を寄付すると決めたのは、人々の意識を高めるために私ができると思った最初のことでした。それが敢えて発表した理由だと思います」と話した。

 土曜日にマグニチュード7.2の地震がハイチを襲い、死者は推定1400名にも及んでいる。その夜にハイチ人の父と日本人の母を持つ大坂は自身のツイッターを更新し、シンシナティの賞金を寄付するという決断を発表していた。

 1回戦をBYEで免除されている第2シードの大坂は、初戦となる2回戦で初戦となる2回戦でコリ・ガウフ(アメリカ)と予選を勝ち上がってきたシェイ・スーウェイ(台湾)の勝者と対戦する予定になっている。

 記者会見でハイチについて尋ねられたとき、大坂は感情的になった。彼女は一旦席を外し、数分後に戻ってきた。

 ハイチはまた先月にジョブネル・モイーズ大統領が暗殺されたことによる後遺症、そして今は地震からの復興作業を妨げる熱帯性低気圧(台風)の影響にも取り組んでいる。

「本当に恐ろしいです。毎日ニュースを見ていますが、地震は父の学校に近いところで起きたようなのです。正直なところ、そこで何が起きているのかはよくわかりません。映像などはまだ見ていないから」と世界ランク2位の大坂はコメントした。

 今シーズンの大坂は2月にオーストラリアン・オープンで2度目の優勝を飾ったが、メンタルヘルスの問題を理由にフレンチ・オープンを2回戦の前に棄権したあとウインブルドンも欠場した。

「それは、私が自分のためにしなければならないことでした。その頃家に数週間閉じこもっていて、出掛けるのが嫌だった。人々がそれまでとは違った目で私のことを見ているののかもしれないと思ったから。」と大坂は振り返った。

「私の目を開かせた最大の出来事は、オリンピックに行ったことでした。そこで他のアスリートたちが私のところにやってきて、私が実際にやったことを本当にうれしく思うと言ってくれたことでした。私は自分がしたことを誇りに思えるようになり、必要なことだったと思えるようになりました」

 大坂はまた、自分と同じくメンタルヘルスの必要性から東京オリンピック体操女子団体決勝を途中棄権したシモーネ・バイルズ(アメリカ)と連絡を取ったことを明かした。

「私は彼女にメッセージを送りました。そういうときに感じるものがいかに圧倒的で対処しがたいかを知っているので、心に余裕を持ってほしかったのです」

 母国で開催された東京オリンピックの開会式で聖火台に火を灯す最終ランナーの大任を努めた大坂は、そのあと少し休息の時間を取り、昨年はハムストリングのケガで棄権しなければならなかったこの大会で活躍をしたいというモティベーションに満ちていると語った。

「東京では自分がいいプレーをしていると感じていましたが、それでもいくつかの判断ミスがありました。今年はあまり多くの試合をプレーしていないので、とにかくあのフィーリングを取り戻したかったんですが…。この大会で自分がどれくらいできるか見てみて、そこからニューヨークに向けて進んでいけたらと思います」

 USオープンに向けた主要な前哨戦のひとつと見なされているウェスタン&サザン・オープンは昨年、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での移動を考慮してニューヨークに場所を移して開催されていた。(APライター◎ジェフ・ウォールナー/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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