世界1位のバーティがクレイチコバを下して準決勝進出「次の試合も楽しみにしている」 [ウェスタン&サザン・オープン]

写真はアシュリー・バーティ(オーストラリア)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(WTA1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月16~22日/賞金総額183万5490ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)が第9シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)を6-2 6-4で下してベスト4に駒を進めた。

 試合を通してファーストサーブからのポイント獲得率が84%だったバーティは手にした8度のブレークポイントのうち4つをものにし、アンフォーストエラーを15本しか犯さなかった。バーティはこの試合で7本のサービスエースを決め、大会トータルは15本となった。

「自分のサービスに集中し、いい仕事ができたわ。試合の大部分で主導権を握ることができたんじゃないかしら。そのおかげで私はバーボラのサービスゲームでのびのびとプレーすることができたし、全体的にフォアハンドとスライスを効果的に使うことができていたと思う」とバーティは振り返った。

 7月にウインブルドンで優勝した2週間後、バーティは東京オリンピックで1回戦負けを喫していた。彼女はここシンシナティで、持ち前のストローク力を取り戻したように見える。

「ここシンシナティで数試合をこなせるのは、とてもいいことよ。違ったコンディションで試合をプレーするたびにどんどん慣れていくの。私は調整して適応することができるし、次の試合も楽しみにしているわ」とバーティはコメントした。

 バーティは次のラウンドで、シンシナティで2度準優勝した実績を持つアンジェリック・ケルバー(ドイツ)と対戦する。ケルバーは第11シードのペトラ・クビトバ(チェコ)が胃の問題を理由に第2セットの途中で棄権したため、試合を最後まで戦うことなく勝ち上がりを決めた。クビトバが棄権を決めたとき、ケルバーは第1セットを6-4で先取して第2セット3-3というところだった。

「USオープン前に最高のプレーヤーたちといい試合をたくさんするというのが、私がここにいる理由よ。アッシュとふたたび対戦することにワクワクしているわ」とケルバーは語った。

 7月のウインブルドン準決勝ではバーティの勝利に終わったが、両者はこれまでに6戦して3勝3敗と星を分け合っている。

「彼女は世界でもっとも優れた競技者のひとりよ。アンジーは決してベストの状態から遠く離れることがないの。そしてベストのテニスをしていない日にも、彼女は試合の中に留まる方法を見つけ出すわ。アンジーに対してプレーするときはあまり押しすぎてもいけないし、守備的になり過ぎてもいけないという微妙なラインに立つ必要があるの。守備的になると、彼女は相手をコートの至るところへと走らせようとしてくるから」とバーティはケルバーを評価した。

 87週間を世界ランク1位として過ごしているバーティは、USオープンの前哨戦となるこの大会でまだ1セットも落としていない。彼女が今週プレーした中での最大のチャレンジは、第2セットがタイブレークにもつれ込んだ予選勝者のヘザー・ワトソン(イギリス)に対する2回戦だった。それ以降のバーティは、ディフェンディング・チャンピオンで第14シードだったビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)とフレンチ・オープン優勝者のクレイチコバをストレートセットで退けた。

 リンドナー・ファミリー・テニスセンターで午前11時からの第1試合でプレーしたバーティは、暑さと湿気に苦しめられてはいなかった。

「ブリスベンの夏のようだったわ。私にとって、暑さは問題じゃないの。第1試合をプレーするというのはいいものだわ。開始時間がはっきり分かっているのは、テニスの世界ではそうあるこではないから」とバーティは話した。

 東京オリンピック金メダリストで同胞のベリンダ・ベンチッチ(スイス)を6-3 6-2で下したとき、ジル・タイヒマン(スイス)は勝利を祝うゼスチャーをしなかった。今大会にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したタイヒマンはこの日、よき友人が続けていたマッチ9連勝の進撃を終わらせた。

「コートに立てばビジネスよ。(相手が友人のベンチッチであっても)対処しなければならないプレーヤーのひとりになるの。彼女も同じ考え方のはずよ」とタイヒマンは試合後に言った。

 今大会にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場して木曜日の夜の試合で第2シードの大坂なおみ(日清食品)を倒す番狂わせに成功したタイヒマンは、少なくとも第5シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)に対する準決勝まではこの予想外の進撃を続けることになった。プリスコバは第1セット0-4とされてから挽回し、7-5 2-0となった時点で対戦相手のパウラ・バドーサ(スペイン)がケガにより棄権したため勝ち上がりを決めていた。

 このような立場に身を置くことを予想していたかと尋ねられたタイヒマンは、自分は先の先のほうまで見るタイプではないと答えた。

「いいえ。すべての試合が大きなチャレンジで、次のチャンスを得るには目の前の試合に勝たなくてはならないと分かっているわ。だから私は1試合ごとに取り組んでいくの」

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での移動を考慮し、USオープン会場でもあるフラッシングメドウでUSオープン直前に行われていた。(APライター◎ジェフ・ウォールナー/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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