「東京オリンピックでは少し攻撃的過ぎた」3回戦敗退の大坂なおみが振り返る [ウェスタン&サザン・オープン]
WTAツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(WTA1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月16~22日/賞金総額183万5490ドル/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したジル・タイヒマン(スイス)に6-3 3-6 3-6で敗れた大坂なおみ(日清食品)が試合を振り返った。
「彼女は凄くいいプレーをしていた。第1セットは自分がすべきことをできていた。でも第2セットで“オー!”となって、第3セットで少しディフェンシブ過ぎたかなと思う。そのとき東京でのパフォーマンスが頭を過ぎった。あのときは少し攻撃的過ぎたから。今日の敗戦から多くを学ぶことができた。この試合でよかったのは試合を通して全力で戦ったことで、それは次に繋げたい。今夜はよく寝られると思う」
今年は出場試合が少ないが、コートに立っている感触はどんなものなのか。
「普段はまったくないのに、今は少し迷いがある。でも、たくさんの大会に出ないことは自分が決めたこと。自分を信じきれないときもあったから、今は自信を持っているし、感触も悪くない。自分の強みを思い出すことが重要。それは第1セットではよくできていた。第2セット、第3セットはより相手のリズムに合わせてしまったと思う」
コートで自分への物足りなさを感じているのか。
「自分に対して大きな期待を持っている。チームがいつも私に、たくさんの試合に出ていないことなどを思い出させてくれる。そして今日の試合は全力を出し尽くせた。だから、自分の現在のレベルはよく分かっている。何をすればこの試合に勝てるのかも分かっている。だから練習を続けるしかないし、今日の試合を受けてまた課題が出てきた。そのうち自分が望んでいるような結果が出ることを願っている」
第1セットは圧倒的だったから、第2、第3セットで相手の反撃に驚いたのか?
「特に驚いていない。彼女がオーストラリアでココ・ガウフ(アメリカ)と対戦した試合をよく覚えている。この選手はすごく才能豊かだと思った記憶がある。だから、まったく驚いていない。それに、私と対戦する相手はいつも高いレベルのプレーを見せる。それに対していつも準備はできている。彼女のプレーがよかったのは確かだけど、自分のプレーで修正しなければいけないところがたくさんある。変な言い方になるけど、負けたことを少しだけ喜んでいる。(USオープンの開催される)ニューヨークに行く前に、修正しなければならない点がたくさん見つかったから」
ウェスタン&サザンファイナンシャルグループがあなたの賞金をハイチへ寄付することに協力してくれることに対してどう感じているか。
「とてもうれしい。3回戦で負けたことで、額が上がらないのはちょっと悲しい気持ちもあるけど。でも重要なのは災害のことを多くの人に知ってもらうことで、それはまずまずできたかなと思う。そして、何か助けになることができたことはうれしい」
USオープンに向けての準備で、自分の現在のレベルをどう感じているか。
「私のレベルは悪くないと思う。でも、過去をあまり気にし過ぎないようにしている。現在のレベルが大事で、どのレベルに自分があるべきなのかを意識している。ポジティブに考えると、自分が取り組めるところに取り組むしかない。自分のレベルを上げるために何をするかではなく、試合に勝つために何ができるか、よりよい選手になるために何ができるかに注力したい。そして、それらは間違いなくたくさんある。今日の自分のプレーには満足している。すべてのポイントを諦めずにプレーできた。ポイントの組み立て方、意識すべきことはかなり改善の余地が残っているけど」
会見前に携帯を見ながら独り言を言っていた。
「結構遅い時間になっちゃったから、まだ営業しているレストランがないか探していたの」
USオープンの前に他の小さい大会に出ることを考えているのか。
「もちろん、それは考えてはいる。でも、今大会の自分の出来にはある程度満足もしている。今大会はたった2試合だけど、どちらからも多くを学ぶことができた。昨年、USオープンの前にたくさんの試合をこなしたけど、本番でケガをしてしまった。いい準備にはなったけど、そのミスは繰り返したくない。自分の中に(大会出場の)オプションとしてはあるけど、あまり可能性は高くないと思う」
USオープンはディフェンディング・チャンピオンとして臨むが、マインドセットはしっかりできそうか。
「“優勝できない”というような気持ちで大会に入ることはない。でも今は優勝することは考えていない。大会に入って、1試合ずつ戦うだけ。それがいいプレーをする秘訣なの。今日の試合は、もしかしたら勝ちたいとい気持ちが強すぎたのかもしれない。それで気持ちが少し高ぶってしまった。それが敗因かもしれない。USオープンはとにかく1試合ずつ戦っていく」
今日、昨日の記者会見で落ち着いているように見えるが、2018年の終わりに成熟した人間になりたいと言っていたが、近づいていると思うか。
「正直言って分からない。成熟することは自分が間違いを犯したことに気付いて、それを修正していくことだと思う。でも、それは正しい解釈ではないかもしれない。解釈の仕方は人それぞれ。私は今日正しい方向に一歩進めたとは思っている。負けたあとにチームと試合をうまく処理できたと思う。その前の数試合ではできていなかったこと。その面では多少成熟したのかなと思う。今日の試合で、少し怒りが爆発してしまったのは、あまりよくなかったと思っている。そこからも学んでいきたい」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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