バーティ、サバレンカ、アンドレスクがタイトルに虎視眈々 [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)は男女シングルスの組み合わせが決まり、月曜日に開幕を迎える。
アシュリー・バーティ(オーストラリア)はコートではなく、ソファに寝そべっていた。ビアンカ・アンドレスク(カナダ)は結局、ディフェンディング・チャンピオンとして臨むはずだった昨年のUSオープンに出場しなかった。アーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)はプレーしたが、あまり長く留まることができなかった。
この3人全員が、タイトル防衛を目指す大坂なおみ(日清食品)を押しのけて女子シングルスの優勝候補になる可能性がある。
アンドレスクはこの3人の中で唯一、フラッシングメドウで大きな成功をおさめた選手だ。彼女は19歳で初めて臨んだ2019年USオープンの決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒し、優勝を果たしていた。グランドスラム大会を23回制したセレナは今回、負傷した右ハムストリングの回復が間に合わず欠場となった。
しかし第3シードの大坂よりも上にいるバーティとサバレンカにとって、時間の問題でしかないように見える。世界ナンバーワンのバーティはウインブルドンで2度目のグランドスラム制覇を果たし、そこに前哨戦のシンシナティでのタイトルを追加して破竹の勢いでニューヨークに戻ってきた。
「ニューヨークに戻ってきたのは久ぶりのように感じるわ。今週はエキサイティングなものになるでしょうね。観客がいる。観客の存在はこの大会に多くのエネルギーをもたらすはずよ。これはそういったエネルギーで盛り上がっていく大会なの。開幕が待ちきれないわ」とバーティはコメントした。
彼女は昨年、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック中にオーストラリアを離れないほうがいいと判断したためUSオープンに出場しない道を選択した。時差の問題で、大会をテレビで観ることもしなかった。
10月にトレーニングを再開する前、バーティはほとんどの時間を家でリラックスして過ごしていた。現在の彼女は3月にマイアミのハードコート大会のために渡米して以来オーストラリアに戻っておらず、数ヵ月に及ぶ長期遠征を続けている。マイアミでのバーティはサバレンカとアンドレスクに勝ち、今シーズンに挙げた5勝のうちのひとつを獲っていた。
「彼女は素晴らしい年を送ったと思います。あれほど一貫性のあるプレーする選手を目にできるのは本当に素敵なことです。彼女は決意に満ち、本当に集中しているように見えます。彼女がオーストラリアン・オープンのあと自宅に帰っていないことは知っています。彼女にとって長い遠征です」と大坂は語った。大坂は日本で生まれたが3歳のときに家族とニューヨークに移住し、現在はカリフォルニアを拠点としている。
「私はそれができるタイプの人間だとは思いません。彼女がそれをできるというのは驚くべきことです。何て言ったらいいのかわかりませんが…テニスにとって本当にいいことだと思います」
バーティと同じくサバレンカもまた、ニューヨークではまだ一度も4回戦を超えたことがない。23歳のサバレンカは非常に大きな大会における自信の問題を抱えていた中、昨年は2回戦で敗退した。
しかしスポーツ心理学者と話すことが彼女の助けとなり、問題は改善されつつある。彼女はカロリーナ・プリスコバ(チェコ)に競り負けはしたがウインブルドンで準決勝に至り、グランドスラム大会における最高成績をマークした。
サバレンカはもう5年は心理学者と取り組んでいるいるというが、「今になってようやく、グランドスラム大会に関して私は彼女と正直に向き合い始めたわ。そして私は実際に何かを恐れていたということを含め、グランドスラム大会で私が抱えているすべての問題についてよりオープンに彼女と話せるようになってきたの」だと説明した。
2016年USオープン準優勝者のプリスコバが第4シードで、2019年ベスト4のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)は第5シードだ。そのあとにはUSオープン優勝以来ずっとケガに苛まれ、グランドスラム大会で2回戦を超えていないアンドレスクが続いている。
「初日にアームストロング・スタジアムに足を踏み入れたとき、鳥肌が立ったわ。2019年の思い出が蘇ったの。大会に臨むに当たり、こういった感慨を持てるというのは素敵なことね。私は気分もよくて体調もいいから、いい感じよ」とアンドレスクは話した。(APライター◎ブライアン・マホニー/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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