「永遠に2週目に残れないと思った」準決勝進出のサバレンカ [ウインブルドン]

ネットを挟んでオンス・ジャバー(チュニジア/左)と健闘を称え合うアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の女子シングルス準々決勝で、第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)が第21シードのオンス・ジャバー(チュニジア)を6-4 6-3で退け初のベスト4進出を果たした。

「勝ててうれしい。ここまでで最高の瞬間だった。ウインブルドンの前に出た大会ではいくつか課題を持ってプレーし、結果を求めていなかった。それがうまくいって、グランドスラムで成功しているのがうれしい。考えていたのは自分のプレー、すべてのポイントで戦うこと。自分でも驚いたのは、初めての準々決勝で全然プレッシャーを感じなかったこと。この雰囲気と自分のテニスを楽しめた。勝つためにできることをやり、いいパフォーマンスが見せられた」

 この日の試合でイギリスのファンが味方についた。

「これまでの試合はあまり応援してもらえていなかったけど、今日の試合で初めて皆が後押してしてくれた。今後も今日のように応援してくれたらうれしい。今日は素晴らしい雰囲気で、すべての瞬間を楽しんだ」

 チームへの感謝を述べた。

「私は素晴らしいチームに支えられている。プレーを向上させて、このレベルで継続して戦えるように皆で一生懸命努力してきた。すべての努力がここで実ったのがうれしい。私にはまだ改善点が多く、皆でそこに集中して取り組んでいる。ここで戦えているのは皆のおかげ」

 23歳でここまで辿り着いたが、道程は長かったとは感じていない。

「私はもう23歳でそんなに若くない! これまではグランドスラムでなかなか気持ちをうまくコントロールできなかった。いつも大会が終わると、プレッシャーに押しつぶされてしまったことに落ち込んでいた。2週目には永遠に辿り着けないと思った。いま、メンタルコーチやコーチと多くのトレーニングを積み、ウインブルドンの2週目に勝ち残ることができてうれしい。優勝するチャンスもあることがうれしくて、そこに辿り着けるように全力を尽くすだけ。メンタルトレーニングの秘密は何もない。深呼吸をして、全力で戦う。それだけよ」

 メンタルトレーニングによってここまでくることができた。

「自分ができると信じて、自分のやってきたことが報われると信じてきた。これがグランドスラム大会だと意識しないこと。グランドスラムのプレッシャーがあるこの状況を受け入れることができた。今は自分のレベルをコートで証明できるようになった。でも、メンタルのコントロールは簡単じゃなかった」

 グラスコートでうまくプレーするポイントを挙げた。

「グラスコートでのプレーは難しい。サービス、リターン、ステップワーク、すべてが重要になってくる。でも今はそれを楽しめている。」

 ケイティ・ブルター(イギリス)に競り勝った2回戦が大きなポイントになった。

「すごく重要な試合だった。第3セットでは彼女にもチャンスがあり、簡単に負けてしまう可能性もあった。でもその厳しい状況でも負けずにファイトして切り抜けられたことがうれしい。この試合で、難しい状況でも乗り越えられることを証明できた。自分を信じてファイトして戦うだけ」

 どのようにしてここまで強くなったのか。

「テニスを始めたころはとにかく楽しんでいて、思いっきりボールを打っていたのを覚えている。このレベルにくることは考えてなくて、とにかく好きでプレーしていただけ。いつの間にかITFの小さい大会で優勝できるようになり、より大きい大会でも勝てるようになり、自信が膨らんでいった。今キャリアを振り返っても、どうやってここまできたのか自分でも分からない。一生懸命やっていたら、ここまで辿り着いた」

 もし優勝したら、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)やマルチナ・ヒンギス(スイス)など偉大な選手と並ぶことになる。

「セレナがツアーで圧倒的な強さを誇っていたのを若い頃よく観ていた。でも、優勝を意識し過ぎるのではなく、自分の目の前の試合に集中している。次の試合に向けてできる限り最高の準備をするだけ。もし優勝できたらうれしいし、できなかったら自分に足りないところを見直していく。優勝したときのことは、そのときになってから考えたい」

 準決勝で第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)に挑む。

 「彼女は素晴らしい選手で動きもいい。ショットに安定感があり、サービスも強力。間違いなくタフな試合になる。勝つために全力を尽くす」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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