「決めるのは運営側で、選手ができるのはルールを守ること」ワクチン接種について考えを明かしたメドベージェフ [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)がドミニク・コプファー(ドイツ)に6-4 6-1 6-2で勝利した。
「自分から見て素晴らしい試合だった。サーフェスは少し遅く感じた。気温も低く、インドアで屋根が閉じられていたので思い切りのいいウィナーを決めるのが難しかった。試合後にスタッツを確認したら、どちらもウィナーが少なかった。だから、ミスなく長いラリーを粘り強く続けることが必要だった。2年前にここで彼と対戦したときはタフな試合だった。(第1セットを落としてから逆転勝利)。だから、試合開始から高いレベルをキープして戦わなければならなかった。それが勝因だと思う。自分のプレーに満足している」
今大会のサーフェスについて。
「自分はここまで2試合ともセンターコートだから、コンディションは普通だ。センターコートはいつも他のコートに比べて遅い。例を挙げると、オーストラリアンオープンのサーフェスはメチャクチャ速いコートばかり。グラスコートの2倍速いんじゃないかと思うくらい速い。サービスが速くなり、スライドする。でも、センターコートのロッド・レーバー・アリーナでは遅いからラリーが続き、ウィナーを決めるのが難しい。ここの練習コートは物凄く速かった。センターコートはそれより遅いけど、それでも速いほうだろう。僕はこのサーフェスが好きだ。ハードコートと言ってもいろんな種類があり、かなり遅いサーフェスもあるし、ここのように速いサーフェスもある。違いがあるのは皆にとっていいこと」
ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)が観客同様、選手にもワクチン接種を義務化すべきとの意見を発した。
「この問題に答えるのは難しい。誰でも自分の意見を持つ権利がある。申し訳ないが、この問題について意見を言えない。ファンに義務化したのは理解できる。現時点では選手には適用されていない。選手ができるのはガイドラインやルールを守ること。もし同じルールが選手にも適用されたら、どのような形で協力できるか考えなければならない」
この問題を前に進めるために選手はどのような議論をすべきか。
「選手が決定することではない。テニス界には組織(運営サイド)がある。組織に対して満足なときもあれば、不満なときもある。それでも彼らが決定を行う機関だ。間違いなく選手ではない。そうしないと、よくも悪くも多くのことが変わってしまう。僕らはテニスコートの上でしっかり自分たちの仕事をすべきだ」
映画好きと言われている。
「映画鑑賞は好きだ。リラックスしたり、面白いものを見たり、そこから物事を学ぶこともできる。妻は今、マシュー・マコノヒーの自伝を読んでいる。その面白さを教えてくれるから、いつかは自分でも読むかもしれない。僕はどんな映画も好き。古いのも、最新のも、ジャンルを問わず観ている」
一番好きな映画。
「一番好きなのは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。5~6回見たよ。リラックスした部分が好きだ。とにかく観ると気分がよくなるんだ。レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクスは史上最高の俳優の中に数えられる。最近はあまり観てないかな」
数年前、アメリカ国内を車で移動したことがあった。
「高速道路に乗ってニューヨークを通り過ぎたんだ。マンハッタンの高層ビルの横を通り、モントリオールに向かった。チケットがなくて、自分が予選からなのか本戦から出られるのかわからなかったんだ。コーチは前日にワシントンに到着して、時差ボケが酷かったけど、すべての行程で運転してくれた。人生を変えたほどでの出来事ではないけど、小さなことは変わった。今となってはいい思い出だ」
今日はUSオープンでプライドデー。WTAではLGBTを公表する選手が増えているが、ATPでは誰も公表していないことについて。何が必要か?
「僕の意見を言うと、何が真実かわからない。ATPで誰かが公表したら、オープンでいいと思う。誰かが公表するまでは、実際に存在しているのかどうかもわからない。自分の親友ならわかるかもしれないけど。USオープンがイニシアチブを取るのはいいこと。WTAも素晴らしい仕事をしている。公表したい人がいるなら、その選手の安全を確保すべきだろう。もし誰かが公表したら、他の選手みんなも喜んで受け入れると思う」
メドベージェフは3回戦でパブロ・アンドゥハル(スペイン)と対戦する。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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