“よく似たふたり”が異なる道を辿ってグランドスラム決勝の大舞台で再会、ティーンエイジドリームを叶えるのはフェルナンデスか?ラドゥカヌか? [USオープン]

写真はレイラ・フェルナンデス(カナダ/左)とエマ・ラドゥカヌ(イギリス)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス準決勝が行われ、レイラ・フェルナンデス(カナダ)とエマ・ラドゥカヌ(イギリス)によるティーンエイジャー対決の決勝が実現した。

 フェルナンデスとラドゥカヌは、いろんな意味で非常によく似ている。彼女たちは人が羨むような俊敏性と予測力を持っている。ふたりはボールを地面に近い低い位置で打ち、ライジングでとらえながらも楽々とショットのコースを変える。彼女たちは対戦相手がどれほど有名でより成功をおさめていようと気にかけず、お互いにビッグな瞬間を愛している。

 他にもある。彼女たちはともにティーンエイジャーで、どちらもUSオープンではノーシードだ。ふたりはともに、観客からの熱烈な応援を浴びている。そして今、驚くべきことにふたりは揃ってグランドスラム大会のファイナリストとなった。

 世界ランク73位で19歳のフェルナンデスと同150位で18歳のラドゥカヌは木曜日の夜、大きく異なる道を辿ってフラッシングメドウの決勝に到達した。彼女たちは土曜日、決勝を戦うためアーサー・アッシュ・スタジアムに戻ることになる。グランドスラム決勝が10代のふたりで争われるのは、17歳のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が18歳のマルチナ・ヒンギス(スイス)を倒した1999年USオープン以来のこととなる。

 ラドゥカヌは第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)を6-1 6-4で圧倒し、グランドスラム大会で決勝に勝ち上がったプロ化以降で初の予選勝者となった。2度目のグランドスラム大会に挑戦中のラドゥカヌは、予選での3試合と本戦での6試合でプレーした18セットをすべて取っている。

 それほど年上ではないフェルナンデス――彼女は月曜日に19歳の誕生日を迎えた――は、波が行き来したスリリングな戦いの末に第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を7-6(3) 4-6 6-4で倒した。

「彼女たちはふたりとも若いわ。恐れを知らないのよ。彼女たちには、私たちに対してプレーすることで失うものは何もないのだから」とサカーリはラドゥカヌとフェルナンデスについてコメントした。

 それに対してラドゥカヌは、「若いということは、完全に自由でのびのびとプレーできるという要素があるわ」と言ってこの分析に同意した。

 23歳のサバレンカと26歳のサカーリは、ともにごく最近になってグランドスラム準決勝にデビューした。サカーリが6月のフレンチ・オープン、サバレンカは7月のサバレンカでそこに至ったが、2人とも決勝に進むことはできなかった。

「悲しいわ。初の決勝に進めなくて凄くがっかりよ。でも、近いうちにそのときがやってくると確信している」とサカーリは語った。

 ワイルドカード(主催者推薦枠)を得てグランドスラム本戦デビューを飾った今年のウインブルドンで4回戦に進出したラドゥカヌは、そこで呼吸困難に陥って試合途中で棄権を余儀なくされていた。

 決勝で対決するフェルナンデスとラドゥカヌはふたりとも、非常に国際的なバックグラウンドを持っている。

 フェルナンデスはモントリオールでフィリピン系カナダ人の母とエクアドル人の父の間に生まれ、レイラがジュニアで結果を出し始めた12歳のときにフロリダに引っ越した。彼女のコーチでもある父は今回ニューヨークに来なかったが、自宅から毎日電話でアドバイスを与えている。

 ルーマニア人の父と中国人の母のもとにカナダのトロントで生まれたラドゥカヌは、彼女が2歳のときにイギリスに移住した。

 お互いに12歳以下でプレーしていたときにフェルナンデスとラドゥカヌは初めて出会い、ふたりともカナダに繋がりがあることから仲良くなった。そして数年のときを経て、土曜日にふたりはツアーレベルの試合で始めて同じコートに立つことになる。

 ふたりは2018年ウインブルドン・ジュニアの2回戦で対戦したことがあり、そのときはラドゥカヌが勝っていた。その3年後に両者がふたたび顔を合わせるとき、そこはより大きな舞台でずっとずっと大きなものをかけて戦う。そしていずれが勝つにせよ、ニューヨークでティーンエイジャーの新チャンピオンが誕生する。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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