38歳のクライシュテルスがシカゴで最新の復帰に挑戦「新しい章を始めることにワクワクしている」
WTAツアー公式戦の「シカゴ秋季テニス・クラシック」(WTA500/アメリカ・イリノイ州シカゴ/9月27日~10月3日/賞金総額56万5530ドル/ハードコート)からワイルドカード(主催者推薦枠)の招待を受けたキム・クライシュテルス(ベルギー)が、またもツアーに復帰することになった。
グランドスラム大会を4度制した実績を持つ元女王のクライシュテルスは初めてグランドスラム決勝の舞台に立ってから20年、そして四大大会で初タイトルを獲得してから10年が経過した今、38歳にしてプロテニスプレーヤーであることがどのようなものかを知りたがっている。
国際テニス名誉の殿堂メンバーで元世界ランク1位のクライシュテルスは、月曜日に予定されている1回戦でオーストラリアン・オープン準々決勝進出者のシェイ・スーウェイ(台湾)と対戦する予定になっている。
「母国のベルギーで、『40歳前にマラソンを走ってみたいわ』などと言う友達がいるの。そして私は『ええ、つまりこれは私にとってマラソンみたいなものよね』という感じだったわ。でも私はチャレンジを楽しんでいるのよ」とクライシュテルスは日曜日に行われたビデオ記者会見の際に話した。
「コートに出て行って、翌日に自分がどのように反応するかを見るのを楽しんでいるわ。『へえ~、これはこんな感じなんだ』といった具合にね。或いはどのようにすれば予測力を向上させことができるかを考えたり…。かつてはそれが極めて普通のことだったんだけどね。自分がまだ上達し続けていると感じられる限り、それが私にとってモティベーションになるの」
3児の母であるクライシュテルスは、ニュージャージー州の自宅で朝5時に起きてトレーニングをしている。彼女は約1年前の2020年US年オープンの1回戦で敗れて以来、公式戦でプレーしていない。
クライシュテルスは昨シーズンに一度復帰したが、0勝3敗という戦績に終わっていた。そのあと彼女は10月に膝の手術を余儀なくされ、今年の1月には新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した。それらは彼女にとって、2012年以来の公式戦だった。元々2007年に一度引退したクライシュテルスは、2009年に最初の復帰を果たしていた。
まだ10代だった2001年にフレンチ・オープンで決勝に進出したクライシュテルスは、それからグランドスラム決勝で4敗したあと2005年USオープンでついに最初のタイトルを獲得した。それから彼女は一度引退して復帰したあとの2009年と10年にふたたびUSオープンで優勝し、2011年にはオーストラリアン・オープンでも栄冠に輝いた。
「子供のころ、キムはお気に入りのプレーヤーのひとりだったの。彼女のプレーを観るのが大好きだったわ。彼女はツアーでもっともいい人のひとりだから、復帰すると知って凄くうれしい」と2017年USオープン準優勝者で今大会にエントリーしているマディソン・キーズ(アメリカ)はコメントした。
「USオープン決勝で負けて落ち込んでいたとき、彼女は私を見つけて抱きしめてくれたの。そして『大丈夫よ。私は最初に決勝に出てからタイトルを獲るまでに4年かかったのよ。心配いらないわ』と声をかけてくれて慰めてくれてたわ。そのことで私は助けられたけど、わざわざそのために時間を取ってくれたということは彼女がいかに素晴らしい人間であるかを示していると思う」
この最新のカムバックがどのくらい続くかについて、クライシュテルスは確信を持てないでいる。つまりそれは、自分自身がツアーに留まるために必要な努力を楽しめるか否かにかかっていると彼女は考えている。
「凄く長い期間を練習に費やしてきたから、試合をしたり試合のルーティンやリズムを取り戻すことが凄く楽しみよ。どのようにするかを自分の脳に教えなくちゃね。練習ではセットをプレーしてきたけど、公式戦になると勝手が違うわ。だから私は今、自分のキャリアで新しい章を始めることにワクワクしているの」とクライシュテルス意気込みを語った。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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