「本玉との試合で自分のリズムを掴めた」優勝したムグルッサが振り返る [シカゴ秋季クラシック]

USオープン4回戦でのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「シカゴ秋季テニス・クラシック」(WTA500/アメリカ・イリノイ州シカゴ/9月27日~10月3日/賞金総額56万5530ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、オンス・ジャバー(チュニジア)を3-6 6-3 6-0で倒したガルビネ・ムグルッサ(スペイン)がWTAのインタビューで語った。

 2度も相手の棄権があり、わずか2勝での決勝進出は簡単な状況ではなかったはず。

「明らかにおかしな状況だった。試合が少なかったから、かなりフレッシュな状態で決勝に臨めたのはよかった。でも、試合が少ない中で素晴らしい勝ち上がりを見せたオンス・ジャバー(チュニジア)と決勝で対戦するのは簡単じゃなかった。前日も試合がなかったことだし、すべてを出しきらなければいけないと決心した。自分の状況に対してあまりストレスを感じることなく、乗り越えられたのはよかった。決勝に勝ててうれしい」

 決勝は1セットダウンでブレークされたところから、本領を発揮したように見えた。本玉真唯(島津製作所)との試合で難しいゲームが多かったのが、決勝で生きた?

「本玉との試合は本当に素晴らしかった。おかげで自分のリズムを掴むことができ、本当にファイトしなければならなかった。あの試合の難しさはスコアに現れていないと思う。話題を決勝に変えると、オンスとはウインブルドンで対戦したばかり。いい試合だったけど、結果はついてこなかった。今回はよりよいプレー、いいメンタル状態が必要だとわかっていた。第1セットを落としても落ち込むことなく反撃して、最終セットに持ち込むことができた。自分の中のエネルギーが溢れていて、最終セットでそれを爆発させることができた」

 これで今季2勝目。1シーズンに2タイトルを獲るのはこれで2度目のことでトップ10にも返り咲いた。4度目のWTAファイナルズ出場も見えている。今季を振り返ってどう?

「ここまでとても満足している。もちろんグランドスラム大会でもっといい成績をおさめたかった。でもシーズンを通して高いレベルでいい試合ができている。決勝に進むことは本当に難しいこと。これまで何年もプレーしてきたから、タイトルを獲ることがどれほど難しいかわかっているつもり。4度タイトルを獲るチャンスがあって、そのうち2つ獲れたのは素晴らしい。チームで素晴らしい仕事ができていることの証拠にもなる。ここにトロフィーがあるのは、私たちが好調だということ」

 君は世界ナンバーワンの経験もあり、2度のグランドスラム優勝を勝ち獲っている。この大会はWTA500だけど、ビッグタイトルを獲ることと同等に感じているように見えた。

「一般的に見て、この大会は小さいと思われているかもしれない。でもすべての大会、勝利が重要なもの。どんなトロフィーだろうと、選手たちは皆が見えないところで物凄い努力をつぎ込んでいる。当然、大きな大会のほうで勝つほうがいいに決まっている。でも“トロフィーを獲れた! 自分が今大会でよりよい選手だった”と感じられるのは特別なもの。どの大会かは関係ない。素晴らしい気分だし、とても誇りに思っている」

 この次のインディアンウェルズは大きな大会で、カリフォルニアの砂漠で開催されるため天候の影響を受けやすく難しい。

「適応力がキーになる。確かに変わった環境の中でのプレーになる。でも、いい試合を重ねてきた。戦う準備ができている。細かいことに早く順応するしかない。ボールはよく飛ぶし、気温も結構高いと思う。過去の大会で何度かベスト8に進出しているし、好きな大会。このような大きな大会は長期戦になるから、勝ち進むのはいつでも難しい」

 ベテラン選手にとって新たな経験はなかなかないもの。シカゴの大会をどう評価する?

「シカゴに来たのは初めてのことじゃないの。休暇で遊びに来たことがある。街のこともよく知っている。レンタサイクルで観光地を回ったりした。とても文化的な都市で、自分が訪れたことのある他のアメリカの都市とは全然違う。この大会を開催するのに多くの努力が裏側であったと思う。このチャンスを与えてくれて本当に感謝している。今後さらに大きくなるポテンシャルがあるから、できれば来年以降も続いて欲しい大会。この街には素晴らしいテニスファンがたくさんいる。彼らは私たちのプレーを観られることを喜んでいた。それを見て私もとても感動した」

 ファンと言えば、今年メキシコのグアダラハラで開催されるアクロンWTAファイナルズ出場が大きなモティベーションになっていると聞いた。

「コロナの前はファンの前でプレーするのが大好きだった。彼らは私にテニスをするモティベーションを与えてくれる存在。コロナになってから、その気持ちがさらに強くなった。コートに出てファンが楽しんで大きな声を出したりするのに、本当に感謝している。ファンの前でプレーしてショーを見せられることは本当に楽しい。グアダラハラでは盛り上がるのが大好きなラテン系のファンだから、選手たちもその雰囲気を大いに楽しめると思う」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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