ダブルスを制したロシアがアメリカに勝利、スイスはシングルス2連勝で決勝進出 [ビリー ジーン・キング・カップ]

写真はアデレード国際でのリュドミラ・サムソノワ(ロシア)(Getty Images)


 女子テニスの国別対抗戦「ビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ) by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1~6日/室内ハードコート)の大会5日目は決勝トーナメントの準決勝が行われ、ロシア(グループA)とスイス(グループD)が世界一の座をかけて対決することになった。

 ロシアが勝負を決するダブルスに勝ち、第3シードのアメリカ(グループC)を2勝1敗で下して決勝に進出した。両チームがシングルスで星を分け合ったあと、ベロニカ・クデルメトワ/リュドミラ・サムソノワ(ロシア)がシェルビー・ロジャーズ/ココ・バンダウェイ(アメリカ)を6-3 6-3で退けた。

 かつてフェドカップの名で知られたこの女子国別対抗戦でロシアが決勝に進出するのは、2015年以来のこととなる。

 18度の優勝を誇るアメリカはこの大会史上もっとも成功をおさめている代表チームだが、この日はまずサムソノワがスローン・スティーブンス(アメリカ)を1-6 6-4 6-3で倒して先勝した。

 最終セット第5ゲームをブレークしたサムソノワは第9ゲームにもふたたび相手のサービスゲームを破り、ふたつ目のマッチポイントでスティーブンスがバックハンドをミスして決着がついた。

 今年のウインブルドンでもスティーブンスに勝っていサムソノワはロシア代表チームの一員として初めてシングルスをプレーして「少しナーバスになっていた」と明かしたが、「でも私は、この機会を与えられて凄くうれしかったの。勝つことができて本当に満足しているわ」と語った。

 スティーブンスにとっては2017年決勝以来の同大会での敗戦となり、彼女の連勝記録は「5」でストップした。

「少しがっかりしたけど、全体的に私が悪いプレーをした訳ではなかった。彼女に私よりいいプレーをさせてしまった」とスティーブンスは振り返った。

 続くエース対決ではダニエル・コリンズ(アメリカ)はアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)を6-7(9) 7-6(2) 6-2で破り、逆転勝利に望みを繋いだ。コリンズはこの日50本目のウィナーで最初のマッチポイントをものにし、2時間42分の激戦に終止符を打った。

「私は可能な限り早く立ち直ろうと奮起し、勝つための道を見つけ出そうとしていた」とコリンズは試合後に話した。

 しかしこのあとのダブルスはロシアが制し、アメリカの敗戦が決まった。

 13年ぶり5度目の優勝を目指すロシアは土曜日の決勝で、スイスと対戦する。第2シードのオーストラリア(グループB)と対戦したスイスはシングルス2試合で決着をつけ、準優勝に終わった1998年以来の決勝進出を決めた。

 7本目のサービスエースで試合を締めくくったジル・タイヒマン(スイス)がストーム・サンダース(オーストラリア)に6-0 6-3で快勝したあと、東京オリンピック金メダリストのベリンダ・ベンチッチ(スイス)がアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)とのエース対決を6-3 6-2で制して勝利を決めた。

 スイスはチェコとドイツを連破し、今大会でもっとも厳しいと見られていたグループDを突破して決勝トーナメントに進出していた。

「かなり凄いことだわ。私たちは本当の意味でこのような結果を期待していた訳ではなかったと思う」とベンチッチはコメントした。

「決勝に進出することができて本当に幸せよ。まだ信じられないほどだわ」

 ビリー ジーン・キング・カップは新フォーマットの採用を決定して本来なら2020年から12ヵ国が一堂に会するファイナルズで優勝国を決めることになっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりキャンセルされていた。

 ファイナルズでは12ヵ国が3チームによる4グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位が決勝トーナメント(準決勝)に進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。(APライター◎カレル・ヤニチェク/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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