ショックを受けた大坂なおみがSNSに投稿「ペン・シューアイはどこに?」
テニススターの大坂なおみ(日清食品)は選手仲間のペン・シューアイ(中国)がSNSを通して中国の元政府高官に性的虐待を受けたことを明かしたあと、音沙汰もなく姿を消してしまったと聞きショックを受けているという。
グランドスラム大会を制した4度元世界ナンバーワンの大坂は水曜日に自身のSNSを更新し、「ペン・シューアイはどこに?」と問いかける者たちに加わった。
ツイッターに『#WhereIsPengShuai』のハッシュタグを付けて投稿したメッセージの中で、「皆さんがニュースをフォローしているかわかりませんが、私は最近同僚のテニス選手が性的虐待を受けたこと明かした直ぐあとに行方がわからなくなったと知らされました。検閲は決して許されるものではありません」と大坂は綴った。
タイトル防衛を目指したUSオープンで3回戦敗退に終わったあと公式戦でプレーしていない24歳の大坂は、ペンと彼女の家族が「無事であることを願っている」とコメントした。
「私は現在の状況にショックを受けています。私は彼女に愛を送り、彼女の帰途を照らす光が射すことを祈っています」
世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含む他のトッププレーヤーや女子と男子のプロテニスツアー運営団体メンバーたちも、グランドスラム大会のダブルスを2度制した実績を持つペンの申し立てについて徹底的な調査をするよう呼びかけている。
今月の初めにSNSを更新したペンは、元副首相である人物が繰り返し拒否したにも関わらず肉体関係を強要したと告発した。この投稿は間もなく中国の主要ソーシャルメディアであるウェイボー(中国版ツイッター)から削除され、中国の国営メディアはこの件に関するすべての報道を抑制した。
それでもこの申し立てに関する報道はもう1週間以上も海外を巡っており、女子テニス協会(WTA)の会長兼CEO(最高責任者)であるスティーブ・サイモン氏は声明文を通して「ペン・シューアイ並びにすべての女性は発言する権利を持っており、(国家などの)検閲に抑制されるべきではない」と述べた。
「性的暴行を含む元中国政府高官の振る舞いに関する彼女の糾弾は、深刻な問題として対処されるべきものだ」
男子プロテニス協会(ATP)もそれに続き、会長のアンドレア・ガウデンツィ(イタリア)はテニスの運営団体は「WTAプレーヤーのペン・シューアイの所在と安全に関わる不確かさを深く懸念しています」と不快感を示した。
「我々は最近になってWTAから彼女が安全であり所在は確認されて引き続き状況を注視しているという報告を受け、勇気付けられています。それとは別に、我々はペン・シューアイの申し立てに関する調査が公正で透明性のある形で行われるよう求めるWTAの呼びかけを全面的に支持します」
ダブルス元世界1位のペンは女子ダブルスで2013年ウインブルドンと14年フレンチ・オープンを含むツアー23勝を挙げており、シングルスでは2014年USオープンで準決勝に進出した。彼女は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックでツアーが中断する前に出場した昨年2月のカタール・オープン以来、ツアーのトップレベルでプレーしていない。
ペンは過去に3度(2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)オリンピックに出場したが、国際オリンピック委員会(IOC)は彼女の告発に関して沈黙を保っている。IOCと中国は2月4日から、北京で冬季オリンピックを開催する予定になっている。
これは中国で『#MeToo運動(セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有する際にソーシャルネットワークで使用されるハッシュタグ)』が起こって同年中に政府当局によって大々的に鎮圧された2018年以来、著名な政府高官に対してなされた最初の告発だった。
月曜日に行われたブリーフィングでペンの主張について質問を受けたとき、中国外務省の報道官は「私はそれについて聞いたことはないし、それは外交上の問題ではない」と答えていた。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Related
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ