メドベージェフが大会連覇に王手、世界トップ2に敗れたルードは雪辱を誓う [Nitto ATPファイナルズ]

写真は大会2連覇に王手をかけたダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)の大会7日目のシングルスは決勝トーナメントの準決勝が行われ、第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を6-4 6-2で下して大会連覇に王手をかけた。

 ルードに対して出だしから主導権を握ったメドベージェフは、初出場だった2019年には0勝3敗で終わった同大会で翌年から続いている連勝を「9」に伸ばした。

 32本続いたラリーを逆クロスへのフォアハンドのウィナーで締めくくったメドベージェフは、それを第1セット序盤のブレークに繋げた。彼はそのあともネットに出ての攻撃やドロップショットも交えて自分のテニスに変化を加え初め、第2セットでも先にリードを奪った。ルードはバックハンドの深いところに打たれたショットに対してチャレンジしたが判定は変わらず、ふたたびサービスゲームを落として2-5とされた。

 試合を通して一度もブレークポイントに直面しなかったメドベージェフはネットに出た15回のうち11ポイントを取り、最初のマッチポイントで完璧なサーブ&ボレーを決めて試合を締めくくった。

 今大会に初出場ながら決勝トーナメントに進出した22歳のルードはラウンドロビン(グループ内総当たり戦)の初戦で世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)にもストレートセット敗れており、世界トップ2に打ちのめされたことで「雪辱を果たし、来年にはもっといいプレーヤーになっていたいという気持ちにさせられたよ」と決意を新たにした。

 メドベージェフは最終日の決勝で、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。2018年大会チャンピオンのズベレフは第1シードのジョコビッチを7-6(4) 4-6 6-3で倒し、東京オリンピック準決勝に続いて重要なトロフィーをかけてプレーするチャンスをジョコビッチから奪い去った。

 同大会で6度目の優勝を目指していたジョコビッチは実現すればフェデラーの持つ最多記録に並ぶことができたが、少なくとも今年に達成することはできなかった。

 最終セットのタイブレークで決着がついた火曜日のラウンドロビン第2戦を含め、メドベージェフはズベレフに対してここ5試合連続で勝っている。彼は9月のUSオープン決勝で『年間グランドスラム(同じ年に四大大会全制覇)』達成を目指していたジョコビッチを破り、グランドスラム初制覇を果たしていた。

 ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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