ロシアがエクアドルを下し、グループA首位通過をかけたスペインとの直接対決へ [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会3日目は、各グループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦が行われた。
世界ランク2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)の活躍もあってロシアがエクアドルに勝ち、グループAの勝者を決めるために日曜日の第3戦でロシアと第1シードのスペインが一騎打ちをすることになった。
メドベージェフは5度のブレークに成功してエミリオ・ゴメス(エクアドル)を6-0 6-2で圧倒し、ロシアの勝利を決める2勝目を挙げた。
「僕は最初のポイントから最後のポイントまでミスなくきっちりとやりたかったんだ。チームに勝ち点をもたらすことができてうれしいよ」とUSオープン優勝者のメドベージェフはコメントした。
彼のチームメイトで世界5位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)は予想よりも難しい試合となった第1試合でロベルト・キロス(エクアドル)を6-3 4-6 6-1で倒し、最初の勝利を刻んだ。ルブレフはそのあとアスラン・カラツェフ(ロシア)とのダブルスでコートに戻り、ゴンサロ・エスコバル/ディエゴ・イダルゴ(エクアドル)に6-4 4-6 6-4で競り勝った。
ロシアとディフェンディング・チャンピオンのスペインはマドリッドで開催されているグループAで勝ち点1ずつを獲得しており、日曜日の直接対決にはかなりの観客が詰めかけると予想されている。
インスブルックで初戦に臨んだイギリスはシングルス2試合を制し、最終的に第3シードのフランスに2勝1敗で勝利をおさめた。第1試合でダニエル・エバンズ(イギリス)がアドリアン・マナリノ(フランス)を7-5 6-4で破ったあと、エースのキャメロン・ノリー(イギリス)がアルトゥール・リンデルネック(フランス)を6-2 7-6(8)で倒した。
世界12位のノリーはリンデルネックに10本以上サービスエースを決められながら2度のブレークに成功し、エバンズもマナリノのサービスゲームを3度破った。
「シングルスで勝負を決め、ハラハラして心臓に悪いダブルスをしなくて済むというのは常にいいものだ。僕は1-1でそこに座っていたくない。2-0がいいよ」とエバンズは語った。
リンデルネックはニコラ・マウ(フランス)とのダブルスでジョー・ソールズベリー/ニール・スクプスキー(イギリス)を6-1 6-4で下し、フランスに1勝をもたらした。
イギリスとフランスはグループCでそれぞれ勝ち点1を挙げており、イギリスは第3戦でフランスに敗れて勝ち点0のチェコに勝てばグループ首位を決めることができる。
早い時間帯にマドリッドで行われたグループBの対戦ではエリアス・イーメル(スウェーデン)が9本のサービスエースを決めてミカエル・ククシュキン(カザフスタン)を6-3 7-6(4)で下し、スウェーデンが決勝トーナメント進出にあと1勝と迫った。
しかし弟のミカエル・イーメル(スウェーデン)が第1セットを先取しながら10本のサービスエースを決められてアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)に6-3 4-6 0-6で敗れ、最後のダブルスもアンドレイ・ゴルベウ/アレクサンドル・ネドベソフ(カザフスタン)がアンドレ・ゴランソン/ロベルト・リンドステット(スウェーデン)を6-3 6-3で退けカザフスタンが逆転勝利をもぎ取った。
カザフスタンは第3戦でスウェーデンに敗れている第2シードのカナダに勝てば、6度目の準々決勝進出を決めることができる。
「この勝利は我々に大きな自信を与えるものだ。選手たちは明日の準備ができている。我々はこのコートを知っているのさ」とカザフスタンのユーリ・シュキン監督は次戦を見据えた。
デビスカップで28回の優勝経験を持つオーストラリアはトリノでハンガリーに2勝1敗の逆転勝利をおさめ、グループDを1勝1敗で終えた。
世界282位で22歳のソンボル・ピロシュ(ハンガリー)がジョン・ミルマン(オーストラリア)から4-6 6-4 6-3のスコアで殊勲の勝利を挙げたが、アレックス・デミノー(オーストラリア)は3時間以上をかけてマートン・フチョビッチ(ハンガリー)とのエース対決を7-5 2-6 7-6(2)で制してイーブンに持ち込み、ダブルスでアレックス・ボルト/ジョン・ピアース(オーストラリア)がファビアン・マロジャン(ハンガリー)/ピロシュを6-3 6-7(11) 6-3で振りきってオーストラリアが勝利を決めた。
「(デミノーにとって)消耗戦だった。ダブルスでは我々の選手たちが主導権を握っていたが、決してわからないものだ。でも我々は本当にこの勝利に値したと思う」とオーストラリア代表チーム監督のレイトン・ヒューイット(オーストラリア)は振り返った。
グループDの第3戦は、勝ち点1を挙げている第4シードのクロアチアと勝ち点0のハンガリーが対戦する。
ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(APライター◎ジョセフ・ウィルソン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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