「タイトなショートパンツとハイソックスが、僕をリチャードの考え方に導いてくれた」映画『ドリームプラン』でウイリアムズ姉妹の父を演じたウィル・スミス

左からリック・メイシーコーチを演じたジョン・バーンサル、リチャード・ウイリアムズを演じたウィル・スミス、レイナルド・マーカス・グリーン監督


 2人の娘を世界最強のテニスプレイヤーに育てる夢を持つ破天荒な父親リチャード・ウイリアムズ。テニス未経験の彼は、姉妹が生まれる前から常識破りの「計画=ドリームプラン」を独学で作成していた。その無謀なプランと娘の可能性を信じ続けた父は、どのように2人の世界チャンピオンを誕生させたのか?

 2022年2月23日(水・祝)に全国で公開となる映画『ドリームプラン』でウィル・スミスが演じるのは、2人の娘を世界チャンピオンに育てあげた破天荒な父親リチャード・ウィリアムズだ。実在する人物リチャードの役作りのために、ウィルは単に本人を真似るのではなく、彼が歩んだ道筋を辿った。

「彼はテニスについて何も知らなかった。ビーナス・ウイリアムズが生まれる前の2年間、彼と妻のオーラセンはテニスについて独学で学び、一緒にそのスポーツを習得したんだ。家族で学び、その一歩一歩が新しいことばかりだった」と、テニス経験ゼロで挑戦した父と母の奮闘を心に刻んだ。

 リチャードの役作りのヒントになったのは、ウィルの実娘とのつながりだった。「(俳優にとって)何がその役に入り込めるきっかけになるのかわからない。警察官を演じる場合、初めて銃を腰につけて歩くことで、何かが目覚め、その心情を理解することができる。リチャード役の場合、僕の実娘ウィローとのつながりが役づくりのきっかけになったんだ」と、劇中でのビーナスやセレナと距離感を実娘とつながりから見つけたと明かしている。

 ウィルが感銘を受けたのは、「押し付けたり、追い込んだり、叩き込んだりしない」リチャードの教育方針だった。「ビーナス本人から聞いた素晴らしい逸話がある。彼女たちが子どもの頃に問題を起こしたとき、その罰はテニスができないということだったそうだ。リチャードは、押し付けるのではなく、家族として選んだ夢に向かう彼女たちに従っていくという、素晴らしい考え方を見つけたんだ」と、リチャードのユニークな教育法を演技に取り入れた。


コートのネット越しに意見を交わすレイナルド・マーカス・グリーン監督とウィル・スミス

 ウィルの役作りについてレイナルド・マーカス・グリーン監督は、「役にふさわしい老け方を見せてくれた。それはウィルだと見てわかるが、今までとは違った感じに見える。外見上の変化は信じられないほど微かなのに、ウィルは完全に役に没入していた」と俳優としての姿勢を讃える。ウィルはアメリカ南部なまりのアクセントや細やかな変化を多く取り入れることで、見事にリチャードに変貌していったそうだ。

「ショートパンツは、リチャードについて僕がピンときたことなんだ。何故かはわからないけど、ショートパンツはいつもぴっちりしていて、それが彼のテニスのスタイルだ。タイトなショートパンツとハイソックスが、僕をリチャードの考え方に導いてくれた」とウィルがリチャードになりきる“秘訣”を教えてくれた。

 アカデミー賞®最有力と言われるウィル・スミス渾身の演技は必見だ。(テニスマガジン)

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