「ジョコビッチにワクチン接種を勧めたりはしない」コロナ感染から回復したナダル

ジャウメ・ムナール(スペイン)とのペアでダブルスに出場したラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 2022年ATPツアー開幕戦のひとつとなる「メルボルン・サマーセット」(ATP250/オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/1月4~9日/賞金総額52万1000ドル/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が予選勝者のリカルダス・ベランキス(リトアニア)を6-2 7-5で倒し、自身のコロナ感染やノバク・ジョコビッチ(セルビア)の現在の状況について語った。

「勝ち負けより何よりも、5、6カ月ぶりにツアーに復帰できたことがうれしい。勝利は当然重要なこと。明日の試合でプレーするチャンスを与えてくれるからね」

 新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したときはどのような症状だったのか。

「4、5日間は本当にきつかった。倦怠感を感じ、熱があるから数日間ベッドに寝ているしかなかった。その間ほとんど動けなかった。過去に風邪でダウンしたどんなときよりもつらかった。PCR検査で陰性の結果が出てから、できるだけ早くオーストラリアへ来ようとした。身体的にも精神的にも早く回復するにはここで準備するのが一番いいと判断したんだ。そしてこのオーストラリアの環境、コンディションに早く慣れることが重要だ」

 オーストラリアに来ないという選択肢はあったのか?

「オーストラリアにはずっと来たいと思っていた。それがすべてだ。アブダビでの試合のあとにここへ来ることを決断した。そのあとにコロナに感染してしまった。そこから体がどのような状態、どう回復するかをチェックしてきた。オーストラリアへ行く前、10日間自宅で休養した。十分回復したと感じたし、ここへ来る前にも一度練習できた。いつもツアーに戻りたいと思っていた。ここに来たいと思っていた」

 ジョーダン・トンプソン(オーストラリア)は回復後に身震いするような後遺症が残ったというが、あなたの場合は何もなかった?

「僕も結構身震いはした。でも、そのあとコートに戻ったらいたって普通だ。筋肉痛、関節痛、疲労は感じている。10日間も自宅にじっとしていたんだからね。でも、問題なく回復した。今週は練習もできている。ロッド・レーバー・アリーナでも練習できた。大会に戻ってこられて本当にうれしい」

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の状況について、またオーストラリアの対応、オーストラリアン・オープンの対応をどう思っているか?

「詳しいことはわからない。現在起きていることは誰にとってもいいことではない。詳細がわかっていないから、はっきりした意見は言えない。難しい状況だ。僕が言えることは、ここまで大変な状況を経験してきた。この2年間パンデミックで多くの人々が犠牲を強いられてきた。オーストラリアの人々がこの問題で苛立つのは理解できる。彼らはハードなロックダウンを何度も強いられてきたんだからね。多くの人が故郷に帰って来られない状況にある。僕は医学に精通している人の意見に耳を傾けるしかない。ワクチンが必要だというなら、ワクチンを接種しないといけない。僕はワクチンを2回接種したけど感染した。接種していれば、ここでプレーするのに何も問題はない。それだけははっきりしている。それ以外のことには意見したくない。ノバクにワクチン接種を勧めることはしない。誰もが、自分がいいと思ったことをする権利がある。ただルールがあり、ワクチンを接種しなければ問題に直面することになる。この2年間多くの人が亡くなり、このパンデミックを止めるのはワクチンが唯一の方法だと思う。このことに異論はない」

 ノバクの現在の状況に同情している? 彼にオーストラリアでプレーして欲しいと思っている? それとも彼はもっと状況をよく理解する必要があったと思う?

「それについて僕は意見を持たない。もし彼が望むなら、何も問題なくここオーストラリアでプレーできたはずだ。でも、彼は自分の決断を下した。誰でも自分の決断を下す権利がある。でも、今はある結果が出ている。もちろん、現在起きている状況は気に入らない。ある意味で彼には同情している。でもそれと同時に何ヵ月も前から、彼は入国に必要なルールを知っていたはずだ。彼は彼自身の決断を下すんだ」(テニスマガジン)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles