カナダが起死回生の準決勝行き、前年優勝国ロシアは強敵イタリアに競り勝つ [ATPカップ]

写真はドイツ戦の第1試合で勝ち星を挙げたデニス・シャポバロフ(カナダ)(Getty Images)


 2020年に創設された男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニー/1月1~9日/賞金総額1000万ドル/ハードコート)の大会6日目はグループBとグループCのラウンドロビン(グループ内総当たり戦)第3戦が行われ、イタリアとの競り合いを2勝1敗で制した前年優勝国ロシアとシングルスでの2勝でドイツを退けたカナダが決勝トーナメント進出を決めた。

 そのほかの対戦ではグループBで開催国オーストラリアがフランスを2勝1敗で下し、グループCのイギリスは勝負のかかったダブルスを制してそれぞれグループ2位の座を掴んだ。

 ラウンドロビン初戦でアメリカに0勝3敗で敗れていた若いカナダが、土壇場で起死回生の準決勝行きを実現させた。

 第1試合で22歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)がヤン レナード・ストルフ(ドイツ)に7-6(5) 4-6 6-3で競り勝ったあと、21歳のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)が世界ランク3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-4 4-6 6-3で倒して勝利を確定させたのだ。

 消化試合となったダブルスはケビン・クラウィーツ/ティム・プッツ(ドイツ)がスティーブン・ディエズ/ブレイデン・シュナー(カナダ)を6-3 6-4で下し、最終的に2勝1敗でカナダの勝利となった。

 全チームが3戦を終えてグループCはイギリスとカナダが2勝1敗で並んだが、直接対決で勝っていたカナダの勝ち上がりが決まった。

 ズベレフとの対戦成績を2勝4敗としたオジェ アリアシムは試合後、「ズベレフを倒すというのは凄くいい気分だ。僕は素晴らしい試合をした。彼は偉大な選手であり、僕のことを何度も倒していたからね。だから今日は、特にチームのために任務を果たすことができて本当にうれしいよ」とコメントした。彼は昨年のウインブルドン4回戦でフルセットの末にズベレフを破っていたが、これまではそれが唯一の勝ち星だった。

 オジェ アリアシムはシャポバロフが疲労でプレーできず自分はテイラー・フリッツ(アメリカ)に敗れて全敗したアメリカとの初戦を思い出し、「厳しいスタートを切ったが力強くグループ戦を終え、準決勝に進出することができた。最後は会場の雰囲気が素晴らしかったね」と喜びを隠さなかった。

 シャポバロフはシドニーに到着後に受けた新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で感染が発覚し、身体の回復が間に合わなかったためにグループ初戦でシングルスをプレーできなかった。第2戦のイギリス戦ではシングルスに出たものの敗れていたシャポバロフは、「ふたたびコートに戻り、プレーできるのは素晴らしいことだ。僕たちはチャンスを手にしている。僕たちはすべての試合で精一杯戦ってきた。これに先立つ試合ではフェリックスがインスピレーションを与えてくれた。僕らはカナダのためにすべてを出し尽くそうとしている」と語った。

 一方で注目の強豪対決となったグループBのロシアとイタリアの対戦は、期待を裏切らない熱戦となった。

 第1試合で『ロシアの第二の秘密兵器』と呼ばれるロマン・サフィウリン(ロシア)が世界10位のヤニク・シナー(イタリア)に6-7(6) 3-6で敗れたあと、ダニール・メドベージェフ(ロシア)がマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)とのエース対決を6-2 6-7(5) 6-4で制し、勝負のかかったダブルスではメドベージェフ/サフィウリンがベレッティーニ/ヤニク・シナーに5-7 6-4 [10-5]で逆転勝ちして勝利をもぎ取った。

 土曜日に行われる準決勝では、ロシアとカナダが対戦する。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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