マレーが思い出のメルボルンで5セットの勝利「トップ選手たちと競い合えることを誇りに思う」 [オーストラリアン・オープン]
今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の大会2日目は、ボトムハーフ(ドローの下半分)の男女シングルス1回戦が行われた。
男子では第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)、第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、第11シードのヤニク・シナー(イタリア)らが危なげなくストレート勝ちをおさめたこの日、大いに苦労しながらも難関を突破したのが元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)だった。
ワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取り3年ぶりに出場したマレーは、前週のシドニーでもフルセットで倒していたパワーヒッターで第21シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を6-1 3-6 6-4 6-7(5) 6-4の死闘の末に退けた。
3時間52分の戦いを勝者として抜け出したあとマレーは何度もガッツポーズを作り、それから「今日のような試合に勝ち、世界ランク20位や25位のトップ選手たちと競い合えるということを僕は誇りに思う」と喜びを口にした。
「簡単なことじゃない。僕は大きな努力をつぎ込んだ。手術後にも多くの問題が持ち上がったけど、僕は進み続けた。今日のような日がそれらの努力をする価値があるものにしてくれるんだ」
2019年オーストラリアン・オープンでの記者会見で、深刻な腰のケガに苦しんでいたマレーは涙を流しながら引退を示唆した。しかしそのあと彼はキャリア延長の望みをかけて金属製の人工股関節を入れる大規模な手術を受け、カムバックへの新たなスタートを切った。
「ここは3年前、僕が最後の試合をプレーすることになるかもしれないと思った場所だ。でも戻ってくることができ、今日のような5セットの戦いに勝つことができたというのは本当に素晴らしい。これ以上は何も要求できないよ」とマレーは語った。
2019年のアントワープで復帰後初の優勝を遂げたマレーだったが、そのあと鼠径部など別の個所のケガにも見舞われその道は険しかった。
「アントワープで優勝したとき、動きが凄くよくなったと感じていた。でもそのあと腰や鼠径部などに痛みが出て、動きが悪くなった。いつもアントワープでのように、あるいは今日やったようにいい動きができていた訳じゃないんだ」
第1セットを快調にスタートしたマレーは苦労することなく勝てるかに見えていたが、バシラシビリは可能な限り強く打つというゲームプランを遂行し続けて次第にリズムを掴み始めた。第3セットでのマレーはベースライン沿いを走り回って武器のひとつである守備力を駆使して相手のミスを誘ったが、最終的に試合は5セットにまでもつれた。
復帰してからグランドスラム大会でストレート勝ちできていないマレーは「もちろんもっと早く終えられたらよかったけど、世界一だったときほど効率がよくない現段階では仕方がない」と冷静に分析し、「自分のレベルを向上させ続けることができれば、試合時間を短くすることもできるようになるだろう」と話した。
「可能ならば、ここで先のほうまで勝ち進みたい。ケガから復帰したあと、僕はグランドスラム大会で勝ち進むことができていない。それは僕にモティベーションを与えている目標なんだ。僕は何年にも渡り、ここで自分のベストテニスを見せてきた。ここでプレーすることを心地よく感じている。ここで、今回の大会でそれをやってのけることができるよう願っているよ」
マレーは木曜日に行われる2回戦で、予選から勝ち上がってきた日本のダニエル太郎(エイブル)と対戦する。彼はデビスカップで一度プレーしたことがあるダニエルを「彼は堅固で非常に動きのいい選手であり、目につく弱点がない」と評価し、「僕にとって、今日のようなパフォーマンスを続けられるかを見るいいテストになるだろう」とコメントした。
写真◎Getty Images
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