「ギリギリセーフかな」メドベージェフがクレッシーへの悪態を謝罪 [オーストラリアン・オープン]
今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)がマキシム・クレッシー(アメリカ)を6-2 7-6(4) 6-7(4) 7-5で下したが、試合中の暴言を記者会見で謝罪した。
最初は自分はトイレで小便をする時間も与えられないのに、クレッシーがサービスの間に時間を空けすぎるとアンパイアにクレームをつけたことだ。試合後もトイレブレークについての不満をぶちまけた。
「新たなトイレブレークのルールだ。トイレだけなら3分でいいし、着替えるのも5分で問題ない。本来ならそれで十分だし、短縮されてよかった。でも、今日は気温35度の暑さだった。僕は2セット終わったらシャツだけでなく、ショーツ、インナー、ソックス、シューズも替えたい。それだけで4分かかるし、第1セットのあとは小便も行きたかった。このルールは筋が通っていない。すべてのトイレブレークを使い切ったあとにトイレに行きたくなったら、チェンジエンドの1分の間に行かなければならない。だから、アンパイアとスーパーバイザーにセット間の1分半の間に小便に行ってもいいかと聞いたんだ。もし5セットにもつれてももう一回トイレブレークで着替えることができるから。35度なんだからね。でもダメだった。1分半でもトイレブレークにカウントされてしまうんだ。馬鹿げてるよ。だらか見ての通り怒っていたんだ。そういう成り行きだったんだ。マキシムに色々言ってしまったのは申し訳なかったと思う」
第4セットでは、ブレークポイントでクレッシーのセカンドサーブで弾丸エースを決められたときだった。“まったく面白くない!”と叫んだ。そのことも弁明した。
「いろんなことに怒っていたんだ。今日は何とか落ち着いて、自分をコントロールできた。たまに怒りでおかしくなることもあるけど。気に入らないことがあったんだ。ひとつはセンターコートでプレーさせてもらうには、これ以上何をすればいいのか?ということだ。僕はグランドスラム大会で優勝したのに。トップシードでマキシム相手に戦うにはロッド・レーバー・アリーナのように広いコートが理想的だ。小さいコートでサーブ&ボレーヤーを相手に戦うのは難しくなる」
コートの割り振りについて不満はあったようだが、なるべく交渉はしたくないという。
「普段はコートについて大会関係者と話さないよ。誰にもプレッシャーをかけたくないからね。どのコートで何時にプレーしたいか、大会会見者に聞かれれば答えるけど、自分からはほとんどお願いしていない。割り当てられた通りにプレーするだけだ。でもグランドスラム大会では、そうはいかない。過去に一度はお願いして聞き入れてもらったことがある。でも、これからはいつもお願いしないといけないのかもしれない。“ロッド・レーバーでやらせてくれないと、僕は不満だ!”なんて本来は毎回言いたくないからね」
イライラしている中で自分を落ち着かせるために、テニスのプレーに集中したという。
「テニスのことを考えるのが一番重要だ。どうすれば勝てるのかを考えるんだ。でも、今日の自分の態度はよくなかった。素晴らしいプレーをしていたマキシムには悪かったと思う。このような態度をとって、相手の精神面を崩そうとする選手は自分だけじゃない。でも、このようなことでプレーがおかしくなってしまうこともある。プレー中は考えないようにして、もう一度集中し直したんだ。今日はうまく切り替えられたと思う。しっかりファイトして、走り、頭を使い、次のポイントを取るために何をすればいいのか考えられた。それが重要だった」
クレッシーを少し邪魔するような行為をして、それを後悔していると試合後にメドベージェフはEUROSPORTSで話していた。
「僕が言ったことの詳細を見てほしい。マキシムについて何かを言いたかった訳じゃないんだ。運、不運のことを言っていたんだ。彼はこの試合で、何度もセカンドサーブをオンラインに決めていて、それが凄く嫌だったんだ。彼のことをどうこう言っていたんじゃない。運について不満を言っていたんだ。僕のショットがコードに当たったときに運がないと叫んだ。その前に彼はブレークポイントでサービスをライン上に打っていたのに、僕はコードに当たってもボールはネットを越えなかった。何でだ?ってなってね。基本的にトラッシュトークは好きじゃないんだ。たまに言ってしまうことがあるけど、好きではない。相手選手に対しては絶対しないように意識している。今日はギリギリセーフかな。実際、マキシムに対しては何も悪いことは言っていないはずだ。でもギリギリだったし、よくなかったと反省している」
サーブ&ボレーについて自分の考えを明かした。
「マキシムはあのスタイルを自分のものにしている。サービスのあとのボレーではコートをうまくカバーできている。今日はほとんどリターンエースを決められなかったからね。コートカバーリングが本当に素晴らしい。僕でもサーブ&ボレーを取り入れて何試合かは勝てると思う。でも、勝率は下がるだろう。自分のスタイルは自分で決めるものなので、僕はやらない。誰もやっていないことにチャレンジしていることには敬意を表したい。彼は自分のテニスがよくなるように選んでいるはずだ。もし、彼がサービスのあとにベースラインに留まっていたら、勝率は今より落ちると思う。自分の力を最大限に生かすためにやっているのだから、頭がいい。彼のためにはあのスタイルがいいんだと思う」
準々決勝の相手、フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)とは4度目の対戦となる。
「タフな相手だ。最近ではUSオープン準決勝、ATPカップ準決勝、そして今回がオーストラリアン・オープン準々決勝だ。つまり、どちらも大きな大会でいいプレーをしているということだ。勝つには自分のベストを引き出して、彼を困難に陥れなければならない」
写真◎Getty Images
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