2019年6月以来の公式戦復帰を果たしたデル ポトロ「コートで感じた感慨を口で説明するのは難しい」
ATPツアー公式戦の「アルゼンチン・オープン」(ATP250/アルゼンチン・ブエノスアイレス/2月7~13日/賞金総額68万6700ドル/クレーコート)で2019年6月以来の公式戦復帰を果たしたフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は試合後、いや試合中にさえ涙を抑えきれなかった。
ツアー大会で「22」のタイトルを獲得した実績を持つデル ポトロは、ワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取り復帰戦に臨んでいた。
ケガに強いられた引退の可能性を明かしていたデル ポトロは1回戦の相手がよき友人でもある同胞のフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)になると知ったとき、これ以上いいくじ運はないと語った。そしてその友人に1-6 3-6で敗れ、彼のアルゼンチン・オープン復帰は1日で終わった。
デル ポトロはこの日、アルゼンチンのロックミュージック『ケ・プラセル・ベールテ・オートラベス(また君に会えるとは何という喜び)』とともにコートに足を踏み入れた。第6シードのデルボニスが圧倒した第1セットのあと第2セットではデル ポトロが少し調子を盛り返して競り合いとなったが、デュースを繰り返した第7ゲームでついにデル ポトロがブレークされた。そして第2セット3-5から自分のサービスゲームを迎えたとき、恐らくこれが母国のコートでの最後の公式戦になるだろうという予感からか涙を流したデル ポトロはファンたちの声援に支えられて立っていた。
「コートで僕が感じていたことを言葉で表現するのは難しい。本当に多くの感情が渦まいた」とデル ポトロは試合後に振り返った。
「常軌を逸した凄い雰囲気だった。観客たちは沸き、僕は観客という面でキャリア最高の試合のひとつを経験した」
そしてデル ポトロは、ファンのためにこんなメッセージを送った。
「実現するかはわからない――何故なら膝の痛みは非常に強いから――でも僕は、この膝を何とか治すために大きな努力を積み続けるよ」
試合に勝ったデルボニスは、「フアン マルティンとプレーすると知ったとき、本当に様々な感情が沸き上がった」と試合後に語った。
「試合に先立つ数日は凄くエキサイティングだった。本当に多くのことが頭を通り抜けた。そしてもちろんコートに立ったとき、スタジアムを埋め尽くした人々を目にした。素晴らしかったよ。試合自体も、感動的なものだったと思う」
写真◎Getty Images
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