急成長中のブルックスビーが世界5位チチパスを打破「この大会は僕のお気に入り」 [ATPインディアンウェルズ]
ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月日10~20日/賞金総額955万4920ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、急成長中のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)が第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を1-6 6-3 6-2で倒してベスト16進出を決めた。
1年前には世界ランク250位以内にも入っていなかった21歳のブルックスビーだが、昨年のUSオープンで彼が見せた吉兆はフロックなどではなかった。現在43位にまで上昇した彼は、ここでの活躍でさらなる躍進が期待されている。
「1年前のこの段階では、何が起こるのかまったく見当がついていなかった。未来を予見することはできない。できるのは、自分がコントロールできることだけだ。僕は頭の片隅で、自分のテニスがこのレベルにあるとわかっていた。それをここで証明することができて、こんなにいいことはないくらいだよ」と勝利後にブルックスビーはコメントした。
チチパスは第1セットを問題なく先取したが、そこから残り17ゲームのうち12ゲームを取ったブルックスビーが勝利に向けて突き進んだ。
「試合前、僕は本当にいいフィーリングだったんだ。いい感じでボールを打てていたし、いい準備ができていると思っていた。ただ出だしに少し硬くなってしまったのだと思う。メンタル的にね。でも短い時間だったよ」とブルックスビーは振り返った。
「僕は自分の中で、メンタル的に流れを逆転させた。深呼吸をして落着き、流れを変えようと自分に言ったんだ」
第2セットの第2ゲームで初めてチチパスのサービスゲームを破ったブルックスビーは巧みにネットプレーを織り交ぜ、ぐいぐいと流れを引き寄せていった。
今シーズンのチチパスはロッテルダムで決勝に進出してオーストラリアン・オープンとアカプルコでは4強入りしたが、絶好調とは言い難かった。それもあって元世界ナンバーワンのジム・クーリエ(アメリカ)は、「現在の勢いを加味すれば、ブルックスビーが有利」と試合前に予想していたのだ。
対トップ10初勝利を挙げたブルックスビーは次のラウンドで、第18シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を3-6 6-3 6-1で破って勝ち上がったディフェンディング・チャンピオンで第12シードのキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦する。
カリフォルニア州サクラメント出身のブルックスビーは「この大会は僕のお気に入りなんだ。子供の頃からいつも観ていた大会だったからね。昨年から大きく成長し、上達し続けているというのは大きな意味を持つことだよ。これをさらに続けていきたくて、僕はわくわくしているんだ」と話し、やる気に満ちている様子を示した。
この日は第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第26シードのガエル・モンフィス(フランス)に4-6 6-3 1-6で敗れ、ニック・キリオス(オーストラリア)が第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を6-4 6-4で下すなど、ほかにも注目すべき試合があった。
ケガなどもあってランキングを132位まで落としたためワイルドカード(主催者推薦枠)で今大会に出場したキリオスは2年以上ぶりにトップ10選手から勝ち星を挙げたあと、「これは大きな勝利だ。彼は素晴らしい選手だよ。ここ2年ほど、彼は非常にいい活躍を見せている。でも僕は今夜、適切なプレーをした。僕は今、凄く幸せな気分だ。チームに支えられ、今日は重要なポイントで本当にいいプレーをすることができたからね」と喜びを露わにした。
写真◎Getty Images
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