フランステニス連盟がロラン・ギャロスの最新情報を発表、現状でワクチン未接種者も出場可能に

写真は2021年フレンチ・オープン男子シングルス表彰式の様子(Getty Images)


 フランステニス連盟(FFT)が3月16日に記者会見を行い、来たるフレンチ・オープンに関するいつかの最新情報を発表した。

 最大のニュースは他のグランドスラム大会と統一し、最終セット6-6となったあとに10ポイント先取のタイブレークが採用されることだった。

「もはや独自のやり方を使うことはできません。一貫性、そしてプレーヤー、ファン、メディアが理解しやすくするためにも、すべてのグランドスラム大会が足並みを揃えることは重要なのです。例えば第5セット16-14までプレーするような選手の過剰な疲労を防げるとともに、試合のプログラム的にもより予想しやすくなります」と今年から新たに大会ディレクターに就任したアメリー・モレスモー(フランス)はコメントした。

 この日に明確にされたもうひとつの情報は、ロシアとベラルーシの選手の扱いに関するものだった。モレスモーは両国の選手たちに国の代表としてではなく、個人として大会に参加して中立的な立場を取ることを課す国際ルールに倣うと説明した。つまり今のところロシアとベラルーシの選手たちは、個人としての立場を取ることでロラン・ギャロスに出場することができる。

 一方で新型コロナウイルス(COVID-19)に関する規制については、フランス政府が決める規則に従うことになるとした。現時点ではスポーツ施設に入るためワクチン接種を義務づける『ワクチンパス(ワクチン接種証明書)』は3月14日から撤廃され、室内であってもマスク着用義務はなくなったため、ワクチン未接種のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は大会に出場できる。

 フランスでは既に観客動員数の規制は解除されていたが、フレンチ・オープンでも施設の収容人数いっぱいまで観客を動員することができ、観客は入場の際にワクチンパスの提示を求められることはなく、マスク着用の義務もない。現在フランスではマスクの着用義務は地下鉄や電車などの公共交通機関内と、病院や老人ホームなどリスクの高い人々が集まる場所のみとなっている。

 しかしこれらは当然ながら、国内における感染状況などの変化によって変わる可能性がある。

 またモレスモーが力を入れていた改善事項に、センターコートであるフィリップ・シャトリエ・コートで一般客へのチケットが完売になったあと、スポンサーなどに割り当てられる席に大きな空席があるという事態をどうやって回避するかということがある。この点に関して複数の解決策が提示されており、そのひとつは一般席のチケットを持つファンにスポンサーエリアの空いた席にアクセスすることを許可するというものだ。

 また昨年から始まった21時からのナイトセッションに観客を動員するため、20時45分から音楽のショーが行われる。昨年のフレンチ・オープンではコロナ関連の夜間外出禁止令が急に出たため、ナイトセッションが無観客になってしまう事態が起きていた。

 このナイトセッションについては開始時間が遅すぎる(ちなみに大会が開催される5~6月のフランスは21時くらいまではまだ陽がある)という声もあったが、今のところ変更の予定はない。FFT会長のジル・モレトン氏は、その際にボランティアをスタジアムに招待する『ボランティアのための夢の日』を創りたいとも述べた。加えて土曜日に子供の入場を無料にする『子供の日』も復活する予定だという。

 ロラン・ギャロスはプレーヤーのためのスペースが他のグランドスラム大会よりも狭いことで知られており、そのため今年からは選手たちがリラックスできるようにするための追加的な休憩エリアとプレーヤーレストランを用意する予定だという。新しいサービスの案には、プレーヤーのためのホテルをより会場に近い位置にすること、季節の食材を使い栄養面の情報を細かく提示した食事を選手たちに提供することなどが挙がっている。

 またプレーヤーのメンタルヘルスをサポートするため、困難な状況に置かれた選手は専門家のケアを受けることができるようになった。

 加えて選手更衣室にはチャリティボックスが設けられ、選手たちがもう使わないラケットやシューズなどを寄付できるようにするという。

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写真◎Getty Images

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