ATPツアー公式戦の「セルビア・オープン」（ATP250／セルビア・ベオグラード／4月18～24日／賞金総額59万7900ユーロ／クレーコート）の男子シングルス準決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）がまたも第1セットを落としながら挽回し、第3シードのカレン・ハチャノフ（ロシア）を4-6 6-1 6-2で倒して今季初優勝に王手をかけた。

　この大会でほぼ常にそうだったように序盤のジョコビッチはエンジンがかからず、反対にハチャノフはパワフルなストロークを両サイドから打ち込んで試合の主導権を握った。ジョコビッチは第1セット4-5からブレークバックしようと奮闘してデュースを繰り返す競り合いに持ち込んだが、ハチャノフが厳しいコースを突くストロークからネットに出てミスを誘い、最後はジョコビッチがドロップショットをネットにかけてそのセットを落とした。

　しかし第2セットからはすべてが変わった。出だしからミスを減らしてレベルを上げてきたジョコビッチは第4ゲームと第6ゲームをブレークし、あっという間に第2セットを取り返した。プレッシャー下に置かれたハチャノフのほうにミスが増えていく中、ジョコビッチは正確なストロークに要所でネットプレーを混ぜながら目覚ましいプレーを展開して第3セットも支配した。

「ここまでプレーした3試合のすべてが、僕にとってキーマッチだった」と試合後の記者会見でジョコビッチはコメントした。

「今日もまた滑り出しはあまりよくなく、僕は第1セットを落とした。最初の2試合と同じように、僕は先にブレ―クされてしまったよ。でも第2セットが始まると直ぐにフィーリングがよくなり、特に第1セットでうまくいっていなかったバックハンドを振り抜いていいショットを打ち込めるようになったんだ」

　完全に自分のペースとなった第2セット以降について、「第2セットと第3セットではサービスもよく、僕がプレーの主導権を握っていた」とジョコビッチは満足げに振り返った。

「あれは僕にとって、今年ここまでで最高の2セットだった。それも非常に質の高い選手相手にね。ハチャノフは非常にいいプレーをしていた。だからこれは重要な勝利だよ。もちろん、現時点での僕にとってはどの勝利も重要だ」

　ジョコビッチは母国開催のツアー大会で3度目となる決勝で、第6シードのファビオ・フォニーニ（イタリア）を6-2 6-2で破って勝ち上がった第2シードのアンドレイ・ルブレフ（ロシア）と対戦する。両者は昨年のATPファイナルズで一度顔を合わせており、そのときはジョコビッチがストレートで勝っていた。

「母国で観客からの素晴らしい応援を受けながらプレーすると、常に興奮で鳥肌が立つ。ベストのプレーをし、最後まで戦いたいというモティベーションを掻き立てられるんだ」とジョコビッチは決勝に向けて闘志を見せた。

　ダブルスは決勝が行われ、アリエル・ベアル（ウルグアイ）／ゴンサロ・エスコバル（エクアドル）が第1シードのニコラ・メクティッチ／マテ・パビッチ（ともにクロアチア）に6-2 3-6 [10-7]で競り勝ちコンビ3勝目を挙げた。

CHAMPIONS in Belgrade‼️ ?@SerbiaOpen2022 | #SerbiaOpen pic.twitter.com/JidlulSPeI

— ATP Tour (@atptour) April 23, 2022