19歳になったばかりのルーネがファン デ ザンツフープの途中棄権でツアー初優勝 [BMWオープン]

写真はATPツアー初優勝の喜びを母親(左)と分かち合うオルガ・ルーネ(デンマーク)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BMWオープン」(ATP250/ドイツ・バイエルン州ミュンヘン/4月25日~5月1日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝は第8シードのボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したオルガ・ルーネ(デンマーク)に対して第1セット4-3とリードしている場面で体調不良により棄権したため、思わぬ形で幕を閉じた。

 オープニングゲームをブレークして好スタートを切ったファン デ ザンツフープは第2ゲームで一旦追いつかれたが、もう一度ルーネのサービスゲームを破って一時は4-1とリードした。そのあとデュースを繰り返した末にルーネがふたたびブレークバックに成功して4-3となったあと、ファン デ ザンツフープがメディカルタイムアウトを取ってコートを離れた。

 終始冴えない表情だったファン デ ザンツフープは戻ってから数ポイントをプレーしたが、そのゲームが終わる前に審判台に歩み寄ると棄権を申し入れた。

 望んでいた形の勝利ではなかったとはいえATPツアー初優勝を決めた19歳のルーネは呆気にとられた様子だった十数秒のあと、ようやく笑みを見せると観客に向けて手を振った。

 具合が悪いファン デ ザンツフープが表彰式に出席することもできない中、ルーネは「まずは今週を通したボティックの活躍を称え、早く回復して直ぐにコートに戻ってこれるよう願っています。僕のチーム、母にお礼を言いたい。素晴らしい1週間でした。僕たちが成し遂げたことを誇りに思います」と優勝スピーチで語り、観客に応援のお礼を言ったあと「また来年お会いしましょう」という言葉で締めくくった。

 そのあとルーネは試合後の記者会見で、「これは恐らく、決勝の勝ち方として最悪のものだ。僕は当然、厳しい戦いを予想していた。彼は非常に力強いスタートを切った。彼が早くよくなるよう願う」と話した。

「でももちろん、もの凄く幸せだよ。こんな形で終えたくはなかったけど、全体を振り返れば素晴らしい1週間だった。僕はいくつかの試合で信じられないようなプレーをした。本当に全力で戦って勝ち上がったんだ。ここミュンヘンでプレーし、素晴らしい観客の前でツアー初タイトルを勝ち獲った。これ以上は望めないよ」

 今大会で1セットも落とさなかったルーネは2回戦で世界ランク3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を倒し、トップ10プレーヤーに対する初勝利も記録していた。

 26歳ながら昨年から急成長を遂げているファン デ ザンツフープも決勝では途中棄権を強いられたものの、第2シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)や第7シードのミオミル・キツマノビッチ(セルビア)らの強豪を破って決勝に勝ち上がっていた。

 これに先立ち行われたダブルス決勝では、第3シードのケビン・クラウィーツ/アンドレアス・ミース(ともにドイツ)がラファエル・マトス(ブラジル)/ダビド・ベガ エルナンデス(スペイン)に4-6 6-4 [10-7]で競り勝ち地元優勝を飾った。


男子ダブルス優勝のケビン・クラウィーツ(ドイツ/左)とアンドレアス・ミース(ドイツ)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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