大坂なおみが自身のマネジメント会社『Evolve』を立ち上げた理由とは?

5月1日、マドリッド・オープンでサラ・ソリベス トルモ(スペイン)に敗れ、コートを去る大坂なおみ(フリー)(Getty Images)


 元世界ナンバーワンの大坂なおみ(フリー)がIMGを離れ、自身の立ち上げた新たなマネジメント会社『Evolve』がコート外でのビジネスについてコントロールすると発表した。

 同じく大坂の担当を務めてきたスチュアート・デュギド氏もIMGを離れ、Evolveで新たな仕事をスタートさせるという。

 昨年だけで総額80億円近い収入があった大坂はだが、そのうち約73億円は12以上あるスポンサー契約会社から得ている。フォーブス誌の世界のスポーツ選手長者番付ではゴルフのタイガー・ウッズと並び12位だった。

 大坂が10代の頃からよく知っているというデュギド氏は、大坂の興味はまだテニスの大会で勝ち、優勝することだという。

「彼女は1日中ゲームをしたり、ネットフリックスで映画を観ているようなタイプじゃないんだ」

 オフコートの時間では、ビジネスに積極的な姿勢を見せている。午前中にトレーニング、体のケアを受けて昼食を摂ったあとは、ほとんどの時間を自分の文化的な興味とビジネスに費やしているという。

 IMGにとって大坂が離れることによる損失は大きいが、一部の肖像権契約などが残っており、今後も収入を得られるようだ。また、IMGはこれまで多くのスターを輩出しており、選手が離れていくのは初めてのケースではない。ロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)も過去に所属を離れ、自身の代理人とともにビジネスを始めている。

 大坂とEvolveの目的は第三者に渡るお金を節約することだけではなく、数年以内に収入を倍増して200億円近くを稼ぐことだ。ただ、大坂のテニスウェアに新たな企業ロゴを入れるような契約は結ばない意向である。実際、大坂は肖像権契約の数を減らそうと考えている。

 大坂とEvolveが目指すのはスポーツ業界で知り合ったレブロン・ジェームズ、ステフェン・カリーといったNBAのスーパースターたちが作り上げたようなビジネスモデルだ。

 自分自身で新たなビジネスを始めることが大坂の野望で、その一つが昨年9月に立ち上げたスキンケアブランドのKINLO(キンロ)である。ブランド名の由来は、日本語の“金”とハイチ語で金の“lo”をくっ付けた造語で、黒人や褐色の肌を持つ人に向けての商品となっている。

 昨年は大会中の記者会見への出席を拒否、ツアーを離れる時期もあったが、それでもビジネス面では何も影響はなかった。ビジネスに力を入れながらも、今はテニスでふたたび成功することを最優先にしているとデュギド氏は言う。

「いつもテニスのことが頭から離れないようで、どうしてもまた勝ちたいようなんだ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles