「いつも、よりよくなる方法を探っている」フレンチ・オープン1回戦勝利のナダル
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)がジョーダン・トンプソン(オーストラリア)を6-2 6-2 6-2で下した。
「ストレート勝ちのいいスタートだった。それがすべてだ。いい時間帯が長かった。でも、改善点もあった。それでもポジティブなスタートだ。おかげで明日は練習できるし、明後日には2回戦を戦うチャンスがくる」
改善したい点は何?
「僕自身は試合を分析しないんだ。すべての面で向上しないといけない。自分の動き、フォアハンドのスピードをもっと上げないといけない。いい時間帯もあったのは確かだ。コート上では湿気があって、すべてが重かった。原因はわからない。屋根が閉じた中でどうして湿度が高いのかわからない。でもパフォーマンスには満足している。でもいつも、よりよくなる方法を探っている。それを明日の練習と次の試合で見つけるつもりだ」
第2セット途中までは凄く調子がよさそうだった。今、足の状態はどう?
「モンテカルロ、バルセロナ、マドリッド、ローマで優勝すれば自信は当然大きくなる。不安がなければすべてが簡単になる。試合に勝って、優勝したほうが自信を持てる。相手にもその自信が伝わるし、勝つことに慣れていれば、必要なレベルも維持しやすい。でも、そうじゃないと状況はまったく変わる。僕はモンテカルロ、ローマで15回も優勝するなんて思ってなかった。僕はケガをした。過ぎたことはもう過去のことで、今が大事なんだ。僕らはロラン・ギャロスにいて、僕はベストを尽くすためここにいる」
「もしこのケガをしていなかったら、自分の自信のレベルはどの程度だったかはわからない。誰にもわからない。仮定の話をするのは好きじゃない。“もしも”は危険な言葉だ。その瞬間を受け入れ、シチュエーションを受け入れ、自信を持って、毎日最善を尽くして、少しずつよくなっていく。僕がどこまでいけるか、見てみようよ」
あなたの叔父で元コーチのトニーは今フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)のアドバイザーを務めている。彼に教わったことは? 彼がフェリックスにどんなものをもたらせる?
「彼は誰よりも僕の助けになった。すべてを僕にもたらした。僕がテニスをしているのは彼のおかげだ。プロになったのも間違いなく彼のおかげ。2個目の質問は僕ではなく、フェリックスに聞くべきものだ。トニーが彼にもたらすものは彼に聞けばいい。僕はトニーが大きな助けになると思う。経験豊かでテニスへの情熱が凄い。頭もいい。彼はテニスをよく知っているから、大いに助けになるはずだ」
ATP(男子プロテニス協会)がウインブルドンのポイントを加算しないと決定したのをどう思っている。
「はっきりした意見はない。選手側の問題はいつも同じだ。大会側には必ず決定を下す人物か組織がある。大会に関わるその他すべての人はその決定に従うのみ。僕らのツアーではすべての選手が異なる意見を持っている。だから、団結すれば実現できることがあっても、団結しないから実現しない。すべての人の考え方が異なるのは問題じゃない。テニスの世界では決定を下す人間が必要だ。僕がそれに反対か賛成かは今どっちでもいいこと。ATPが決定を下す。僕らはそれを受け入れる必要がある。僕は決定を下した組織を困難な状況に陥れるような選手ではないんだ。それが僕の視点だ。選手は大事な決断を下す準備ができていないと思う。テニスは個人競技だからね。ATPが下す一つひとつの決定で、すべての選手は自分がどのくらい利益を得られるかという視点からそれぞれ意見を持っている」
「僕はどちら側の立場も理解できる。ウインブルドンの立場も理解してリスペクトしている。それと同時にATPが選手たちを守ろうとする考え方も理解している。どちらかが悪い、どちらかがいいという問題ではない。どちらも半々だ。彼らが下した決定には理由がある。ATPとウインブルドンがよく話し合い、お互いにとってよりよい未来を築いて欲しい」
今日の相手トンプソンのプレーで一番手強かったのは何?
「僕から見ると、いいスタートですぐにブレークもできて、安定した試合ができた。彼のサービスがいいと難しいのは確かだ。それに彼は動きが素晴らしいから、危険な相手になる。彼はクレーコートで素晴らしい組み立てもできるが、同時にミスもする。クレーではそこが問題になる」
ナダルは2回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したコランタン・ムーテ(フランス)と対戦する。
写真◎Getty Images
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