引退するツォンガに『ビッグ4』からメッセージ「彼はテニス界に注目をもたらしたカリスマ」 [フレンチ・オープン]

写真はキャリア最後となるシングルスの試合を終えたあとにコートで行われた送別セレモニーでファンに手を振るジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、この大会を最後に引退することを決めていた37歳のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)がキャリア最後となるシングルスの試合を戦った。

 第4セット5-5からブレークしてセットを取るかと思われた瞬間に肩を負傷したツォンガガはもはや腕を上げることもままならず、最終的に7-6(6) 6-7(4) 2-6 6-7(0)で第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)に敗れたが、試合後のコート上でこれまであまり前例のなかった送別のセレモニーが行われた。

 まずはツォンガを指導した子供の頃からの歴代コーチやトレーナー、両親、妻と子供たちが入場し、それから彼とともに『新四銃士』(元祖“四銃士”は1920年代から30年代に活躍したフランスのジャン・ボロトラ、ジャック・ブルニョン、アンリ・コシェ、ルネ・ラコステ)と呼ばれたリシャール・ガスケ(フランス)、ガエル・モンフィス(フランス)、ジル・シモン(フランス)、またデビスカップ代表のチームメイトであるピエール ユーグ・エルベール(フランス)とブノワ・ペール(フランス)も駆けつけ、皆がツォンガを抱擁して彼のキャリアを称えた。

 ツォンガの過去の活躍を振り返る映像をスタジアムの大型スクリーンで流したあと、セレモニーではアンディ・マレー(イギリス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)の『ビッグ4』がビデオ映像を通してツォンガを祝福した。

「彼はカリスマ的な選手であり、その華々しくカリスマ性のあるプレーゆえ、テニスに大きな注目をもたらした。(彼の引退は)男子テニスにとって大きな損失だが、彼は我々のスポーツに彼の印を刻んだ」とジョコビッチがコメントし、マレーは「ジョー、多くを成し遂げた君のキャリアを称えたい。君のプレーを観るのが大好きだった」と言葉を送った。

 またナダルは「彼はカリスマ的な選手で、テニス界に多くをもたらした」とツォンガの貢献を称え、フェデラーは「君とプレーすること――君に負けることさえを楽しんだ。僕らはいい戦いをしたね。君がいなくなるなんて寂しいよ」と暖かいメッセージを送った。

 繰り返し起こるケガに何度も活動を遮られたせいで今でこそ世界ランクは297位だが、ツォンガは2012年に自己最高の5位に至り、トップ10として260週間を過ごした。大舞台でこそ強さを発揮する度胸ある選手として『ビッグ3(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)』の全員をグランドスラム大会で倒した経験を持ち、2017年にはフランスをデビスカップ優勝に導いた。

「今日は皆にさよならを言う日、僕にとって大きな日だ。これまで決して後ろを振り返らなかったけど、今日は少し回顧する権利もあるだろう」とツォンガはセレモニーのスピーチで語り、子供として夢見ていたことができた幸運と、キャリアを通して支えてくれた人々に感謝の気持ちを述べた。

 9ヵ月ほど前に2人目の子供を授かったばかりの彼は今後について聞かれ、「まずは家族と一緒により多くの時間を過ごし、子供の成長を間近で見守りたい」とだけ答えた。

 ちなみに新四銃士の中でシモンも今季限りで引退することを決めており、このセレモニーのあとに行われた1回戦で、第16シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-4 6-4 4-6 1-6 6-4で倒した。先にプレーしていたガスケもロイド・ハリス(南アフリカ)を6-1 6-3 6-4で下し、2回戦に駒を進めた。モンフィスは右足のケガのため、今回は大会出場を見送っていた。

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写真◎Getty Images

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