ズベレフがマッチポイントを凌いで2セットダウンから生還「信じられないような試合だった」 [フレンチ・オープン]

写真はマッチポイントを凌いで2回戦を突破したアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス2回戦で第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がこのところ頭角を現し始めている21歳のセバスチャン・バエズ(アルゼンチン)相手に最初の2セットを落としながらも巻き返し、最終的に2-6 4-6 6-1 6-2 7-5で勝ってベスト32に進出した。

 第5セット4-5からのサービスゲームで30-40とマッチポイントに直面したズベレフは思い切ってリターンを強打してきたバエズのミスで窮地を凌ぐと、サービスやストロークで相手にミスを強いることで続く2ポイントを取ってキープに成功した。この勢いに乗って次のゲームをブレークしたズベレフは、サービング・フォー・ザ・マッチで得た最初のマッチポイントでバエズのリターンがラインを割った瞬間に歓喜の雄叫びを上げた。

「彼(バエズ)は今、テニスコートで感じ得る中で最悪の気分を経験しているだろう。信じられないような試合だった。僕もUSオープン決勝で2セットアップから負けたことがあるから、どんな気持ちか痛いほどわかるよ」とズベレフは3時間36分を擁した試合後に対戦相手のバエズを思いやった。

「このような経験からより強くなっていくものだ。彼に幸ある未来を祈りたい。彼は信じられないほど素晴らしい若者だ。彼はこれからテニス界で、多くの素晴らしいことをやっていくことだろう」

 第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が20歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に対して最初の2セットを落としながらも巻き返してフルセットで勝利をもぎ取った翌日、このところ調子にアップダウンのあるズベレフは試合を通してベストのレベルを見出そうともがいていたが、試合の終盤にはサーブ力と厳しい場面で積極的にいく勇気で違いを生み出した。

 試合後の記者会見で危機からの生還した秘密について尋ねられたズベレフは、「ただ勝つための道を見つけなければならなかった。ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のような偉大なプレーヤーたちはいつも、もっとも厳しい瞬間に苦境から抜け出す道を見つけ出す。だからこそ彼らはあのような卓越した存在なんだ。僕は決して彼らのレベルには至れないだろうけど、彼らに近づこうとしている。それは間違いなく、やらなければならないことなんだ」と答えた。

 マッチポイントを握られたときにフォアハンド側を狙った理由について、「フォアハンドというのは、最高レベルの選手にとってさえ緊張した場面で硬くなりがちなショットだと思う。もしフォア側に時速210kmのサーブを入れたら、相手がマッチポイントでミスする可能性はより大きい。実際に彼はミスしたから、うまくいったよ」とズベレフは説明した。

 一方で敗れたバエズは、「厳しい試合だった。第5セットで多くのチャンスを手にしていたけど、アレクサンダーは優れたプレーヤーであり、彼は厳しい瞬間に恐らく僕よりもいいプレーをした。僕は今後のために、この試合から多くを学ばなければいけない」と試合後の記者会見でこの惜敗を振り返った。

「それがもっともいい部分だし、僕はコーチに言おうと思う。辛いことだけど、これは学びであり将来的にもっと強くなっていくためには必要なことなんだ」

 ズベレフは次のラウンドで、タロン・グリークスプア(オランダ)を7-6(6) 6-4 6-2で破って勝ち上がったブランドン・ナカシマ(アメリカ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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