「今年はネットの向こうの相手がよく見えている」2回戦突破のチチパス [フレンチ・オープン]

フレンチ・オープン3回戦でズデネク・コラーシュ(チェコ)を倒したステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が予選勝者のズデネク・コラーシュ(チェコ)を6-3 7-6(8) 6-7(3) 7-6(7)で倒した。

相手についてどのくらい知っていた?

「彼のことはチャレンジャー大会に出ていた頃から知っているよ。だが、コンスタントにATPツアーに出場していない選手とプレーするのは簡単じゃない。どんな試合になるのか予想しづらいからだ。相手のほうが気楽にプレーできたんじゃないかな。失うものが何もないからね。僕らはそういう訳にはいかない。このメンタル面の違いはプレーにも大きく影響する。彼はすべてのボールを返そうとし、常に押し込んできた。動きも反応も早かった。ネットプレーもうまい。いい対処法がなかなか見つからなかった。難しい試合になることはわかっていた」

ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)と1回戦でフルセットを戦い、直近の大会でヤニク・シナー(イタリア)とも対戦した。ランキングに関係なく、2人に似ている部分がある?

 「ランキングは憶えてないけど、ムゼッティは片手打ちバックハンドで、才能豊かで美しいいプレーをする。リシャール・ガスケ(フランス)に似ていて、より攻撃的でアグレッシブだ。予測不能な部分もあるけど、自分のスタイルにこだわっている。彼がポジションを変えたりするのは、あまり見たことがない。調子がいいときは片手バックハンドで本当に素晴らしいショットを繰り出す。パワーではシナーが上かな。とにかくボールを強く打つ。ビッグショットに頼る部分が大きい。シナーはもっと若いとき、本当に強くボールを打っていた。今は少し弱めているよね。ツアーに出てきたばかりの選手は何も気にせずに思い切りプレーできるものだ。そしてツアーを戦う中で上達して、違った戦い方を身につけていく。2人のテニスのスタイルは異なるけど、ある意味近いものがあるのかもしれない」

ひとまず2連勝スタート。今後はどの相手が一番難しい? あるいは自分自身の調子が問題になる?

「いい質問だね。今日の場合は相手も強いし、自分にも問題があった。ブレークポイントもあったし、いいプレーができていた。彼もいろんなアイディアを出してきて、うまく状況に対応していた。凄くクレバーな選手だ。試合が進むにつれて彼の頭脳レベルや、彼のテニスへの理解と戦術も見えてきた。昨年はネットの向こう側にいる相手のことはあまり考えておらず、自分のこと、自分がその状況にどう対応するのかを考えていた。でも今は先の展開を予測することが大事だと思っている。自分のプレーに集中すればいいときもあれば、自分のプレーがあまりよくないのであれば、ネットの逆側にいる相手の状況を見ることも大事だ」

君はSNSで発信するのが好きだが、数年前に悪意、敵意があるから一度やめてしまった。なぜ離れ、また戻ってきたの?

「まず初めに、僕はSNSが好きじゃない。意見は好きだし、読むのも好きだ。一番頻繁に使っているのがツイッター。ポジティブな面もあるけど、酷い場所になることもある。正直、そこまでSNSにのめり込んでいない。ファンが自分の生活に近づいて普段の自分をよりよく知ってもらうには物凄く助けにはなった。他の人と繋がったり、新たな友情が生まれたこともある。それが利用している理由だ」

「自分の意見を発信できるのは素晴らしい。自分の意見を言う場所、他の人を助ける場所があり、自分の国をサポートするのも好きだ。ギリシャという国が大好きなので、国のためになることはたくさん発信してきた。このところあまり注目されていないから、もっと発信したいと思っている。自分の国を代表する者としてSNSはとても有効なんだ」

 チチパスは3回戦で、ミカエル・イーメル(スウェーデン)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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