「ラケットを投げるのは15歳でやめた」2回戦勝利のシフィオンテク [フレンチ・オープン]

フレンチ・オープン2回戦でアリソン・リスク(アメリカ)を下したイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Gettey Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の女子シングルス2回戦で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)がアリソン・リスク(アメリカ)を6-0 6-2で下した。

「とてもうれしい。いい試合ができたし、他の大会でやってきたことを継続できている。前の大会のようにここでも勝ち進むことができてうれしい。集中できている」

ナンバーワンになって選手としても人としても自信がついたように見えるけど、今はどんな気持ち?

「WTAツアーに出場し始めたときからの積み重ねだと思う。これだけ勝てると大きな自信になるけど、うまく対処しないと押しつぶされるのはわかっていた。1位になったことを相手へのプレッシャーに変えることができている。うまくできたことがうれしい。以前より自信が深まった」

ラファエル・ナダル(スペイン)に憧れているのは誰もが知っているけど、彼のルーティンなど真似をしてきた? 彼はいつも落ち着いてラケットを投げたこともない。

「子供のころはラケットを投げたりしていた。当時の私にはまだラファはそこまで影響力がなかったのかな。でも15歳のときにはやめた。感情に流されないようにした。ラファは大きな影響力を持つ。彼のプレーをノートに書き留めて、自分も同じようにプレーしようともした。でも彼は男子で私たち女子よりパワーがあるから、同じようにプレーするのは難しい。でもいつもトップスピンで打ちたいと思っていたから、その点では絶大な影響力があった」

ナダルといつかはミックスダブルスに出てみたい?

「それが実現したら最高ね。物凄くいい経験になる。でも、彼が最後にミックスダブルスに出場したのはいつ? 彼にはシングルスに集中してもらいたいかな」

ここまで圧倒的な強さを身につけるため、何か変えたことはある?

「少し変えたのは、よりアグレッシブにプレーして、先に仕掛けようとする意識かな。コーチが大きな助けになった。でもここまで重ねてきた努力がここで報われた気もする。昨シーズンは本当に多くの経験を積んだ。今年その経験を生かせている。経験のおかげで今は前進できている。フィジカル面の強化もあるし、メンタルコーチと取り組んでいることもあり、チーム全体がうまく機能している。今うまくいっているのがうれしい」

今日の相手はリスクだったが、君はリスクを犯していいプレーができた? 君の優勝に賭けるというリスクはどのくらいかな?

「テニスでは何が起こるかわからない。アリソンに聞いてみたら? 彼女の苗字なんだから。リスクのバランスが取れているとき、最高のプレーができていると思う。どのタイミングでネットに出るべきか、どのタイミングでベースラインに留まりしっかりラリーを続けるか、その判断がしっかりできていると思う。リスクをうまくコントロールすることが一番大事かな」

直近45セットのうち44セットを取っている。この数日でセットを落とすときの準備はできている? 崩れたりしない?

「準備はできている。当然、いつかは負けるし、それが普通のこと。以前はよく負けていた。今の連勝記録は凄いことだけど、テニスで勝者は一人だけ。負けても大丈夫。負けるのはつまらないけど、私の次の敗戦はこれまでのキャリアの中での負けと何ら変わらない」

バーボラ・クレイチコバ(チェコ)がコロナ陽性でダブルスを棄権した。まだ感染者がいるかもしれないけど、気にしている?

「マスクを着用するのが大会では当たり前になったから、今は少し落ち着いていると思う。感染する可能性があるのは、頭の中にはある。でもワクチンを接種したし、対策もしている。私の免疫力は問題ないと思う。うつらないと思う。でもパンデミックが始まってから一度も感染していないのは結構ラッキーだなと思う」

WTA(女子テニス協会)とジャーナリストたちは君の連勝記録30を数えている。君もカレンダーとかで数えたりしている?

「そういうことはやってない。連勝記録は知っている。あなたたちが教えてくれるから。でも記録をつけてない。勝つか負けるかだけじゃないから。私は試合を振り返るのは、そこから新たな経験を積もうとしているため」

日々の生活でSNSとどう付き合っている?

「今シーズンは回数を減らした。試合後、テニスのことを忘れていいときに使うだけかな。試合前は絶対にチェックしない。自分のことを取り上げているアカウントはあまり見ていないから、リラックスしてできている。大会中はSNSの時間が限られている。集中するにはそれが一番いいけどね」

 ベルサイユ宮殿はどうだった?

「素敵だった。人生の中で私が見たもっとも美しいもののひとつだった」

大会中に行った?

「2日間オフがあったから、少し散歩できたの。パリではエッフェル塔とルーブル美術館くらいしか見れていなかったから、他の場所も観光したかったの。見れてよかった。言ったことがないなら、是非お勧めするわ」 

 シフィオンテクは3回戦で、ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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