途中棄権のコルネが「ブーイングされたことは、ケガよりも私を傷つけた」と涙を浮かべて怒りを吐露 [フレンチ・オープン]

写真は太腿に厳重なテーピングを施して3回戦をプレーしたアリゼ・コルネ(フランス)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の女子シングルス3回戦で、ジェン・チンウェン(中国)が地元選手のアリゼ・コルネ(フランス)を下してベスト16に進出した。

 ジェンは力強くプレースメントの優れたストロークで相手を圧倒したが、太腿に厳重なテーピングを施していたコルネは0-6 0-3とリードされた時点で棄権を決めた。

 試合後の記者会見でコルネが説明したところによれば、彼女は第13シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア)に対する2回戦で太腿に肉離れを起こしていたのだという。

「コート上を思うように移動できなかった。試合に入る前からわかっていたの。私はそういう性格だから、少なくともトライしたかった。私は常に、最後の最後まで自分のチャンスに賭けるタイプなのよ。悪化させてしまう可能性があったから、最初からコートに入るべきではなかったのかもしれないわね。何せ私は内転筋に肉離れを起こしていたんだから。危険な賭けだったけど、私はトライしたかった」とコルネは明かした。

「それに、彼女(ジェン)は私に息つく暇を与えてくれなかった。私は0-6 0-3で負けたのはケガのせいだけでなく、大部分が彼女のプレーぶりのせいだったのよ」

 いつ負傷したのかと尋ねられたコルネは、「オスタペンコ戦の第3セット4-2で、走っているときにやってしまったの。最後の2ゲームは持ち堪えたけど、翌日に目覚めたとき、直ぐにまずいことが起きていると感じたわ。昨日のうちに超音波検査を受け、診断に疑いはなかった。試合するか否かは私の決断だったけど、私はこれまで一度もグランドスラム大会で棄権したことはなかったし、トライしないというのは私にとってあり得ないことだった」と説明した。

 またコルネは来年も戻ってくるかと尋ねられると「わからない。こんなふうに終えるなんて悲しいわ。更に信じられなかったのは、私が棄権したときにブーイングした観客がいたことよ。人々は私がかなり痛みに耐えられるタイプだということ、もし私が棄権するならば喜んでのことではなくその反対だということを知っているはずなのに…。フランスの観客は、ときに私を驚かすわ」と答え、目に涙を浮かべながら怒りを露わにした。

「ブーイングされたことは、負傷したよりも私を傷つけたわ。もっとも野次ったのは恐らくセンターコートのほんの一部の観客だろうから、一括りにすべきではないでしょうけど。でも正直に言って、酷い仕打ちだわ。私が1年を通してコートの上ですべてを捧げているのを目にしていながら…。私にとっては最初からコートに入らないほうがよっぽど楽なのに。あまりにアンフェアで、うんざりしているわ」

 途中棄権は別にしても2度目のグランドスラム大会で目覚ましいプレーを見せている19歳のジェンは次のラウンドで、ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)を6-3 7-5で破って勝ち上がった第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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