今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の女子シングルス4回戦で、第1シードのイガ・シフィオンテク（ポーランド）が1セットダウンから挽回し、19歳のジェン・チンウェン（中国）を6-7(5) 6-0 6-2で倒してベスト8に進出した。

　2月末のドーハから5大会連続優勝中のシフィオンテクはキャリア最長の連勝を「32」に伸ばし、2007年から08年にかけて記録したジュスティーヌ・エナン（ベルギー）に並んだ。

　この大会どころかここ1ヵ月を通してセットを落としていなかったシフィオンテクは、高いディフェンス力を見せながらも力強く正確なショットを打ち込んでくるジェンを相手に危機を察知していたのか、第1セットでかなりリードしていたときからややナーバスになっていた。彼女は5-2から挽回されてタイブレークの末に第1セットを落としたが、トイレ休憩を挟んだ続く2セットでは気持ちを入れ直して女王の気迫を見せた。

「手を少しリラックスさせようとしたの。彼女は重いトップスピンをかけたショットを打ち、本当にいいプレーをしていた。第2セットでのカギは、彼女に同じいいプレーをさせないことだった。より速くプレーし、彼女にプレッシャーをかけることができてよかったわ」とシフィオンテクは試合後にコメントした。

「私は自分がちょっぴり苦境に置かれていると感じていたの。でも私は復活し、集中し直して別の解決策を見つけることができた。だから本当によかったわ」

　一方で大会を通して印象的なプレーを見せたジェンは第2セットで最初の3ゲームを落としたあとにメディカルタイムアウトを取り、一度コートから出て右太腿にテーピングを施して戻ってきた。また試合後に本人が明かしたところによれば、胃痛にも苦しめられていたのだという。

「凄く胃が痛くなってしまったの。ベストを尽くしたけど、第2セットと第3セットでは『カモン』と叫ぶ力さえなくなってしまい、本当に厳しかったわ」とジェンは記者会見で明かした。

「本当に戦いたかった。でもそうする力が出なかった。第2セットと第3セットでは、私のテニスを見せることができなかった。第1セットに関してさえ、私は自分のパフォーマンスに心底満足してはいないわ」

　ジェンは試合を振り返り、「脚の問題も厳しかったけど、胃痛と比べたら大したものではなかった。でも今日を別にすれば、私は今大会を通してのパフォーマンスには満足している。私は世界1位との対戦を楽しんだ。あの胃痛がなかったら、もっと楽しめていたと思う。もっと走りたかったし、もっと強く打ちたかった。コートの上でもっともっと奮闘したかったわ」と話して悔しさと手応えを同時に滲ませた。

「今日は発揮したかったことができず、凄く残念だわ。次に彼女とプレーするときには、完璧な体調で戦いに挑みたい」

　シフィオンテクは準々決勝で、イリア カメリア・ベグ（ルーマニア）を4-6 6-2 6-3で破って勝ち上がった第11シードのジェシカ・ペグラ（アメリカ）と対戦する。