今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の男子シングルス準々決勝で、大会連覇を目指していた第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）は『キング・オブ・クレー（クレーコートの王者）』の異名を持つ第5シードのラファエル・ナダル（スペイン）に2-6 6-4 2-6 6-7(4)で敗れた。

　この拮抗した試合のあと、必ずしも試合を通して最高の調子ではなかった世界ナンバーワンのジョコビッチはまずナダルを称え、それから試合を振り返った。

「彼は重要な瞬間に、よりよいプレーをしていたと思う。彼は非常にいい形で試合を始め、僕のスタートはあまりよくなかった。2-6 0-3と第2セットの出だしにも2度ブレークされていたからね。僕は第2セットで挽回していく中で勢いを掴み、セットを取ることができた。そこで僕は何とか立ち直り、試合に戻ることができたと思っていたんだ」とジョコビッチは試合後の記者会見で語った。

「しかし彼は第3セットの出だしに素晴らしい2～3ゲームをプレーした。特に第4セット以外のすべてのセットの出だしの重要な瞬間に、彼のテニスを別のレベルに引き上げた。そこで彼は自分が偉大なチャンピオンであることを見せつけた。精神的に持ち堪え、あのように試合を終わらせた。彼と彼のチームを称えたい。彼らは勝利に値した」

　昨年の大会で2度目の優勝を遂げていたジョコビッチはローマで優勝してパリに乗り込み、そのいい調子をここまでのラウンドで見せていた。

　ジョコビッチは5-2リードから追い上げられてタイブレークに持ち込まれた第4セットの展開について「僕にも勝つためのチャンスはあった。第4セットを取るチャンスは十分あったんだ。サービング・フォー・ザ・セットでセットポイントもいくつかあった。1～2本のショットを決めていれば第5セットに持ち込めたはずだったんだ。そうすればどちらが勝ってもおかしくなかった」と悔しさを滲ませながらも、「僕はベストを尽くした」と自分を納得させた。

「もっといいプレーができたはずだったことはわかっている。でも僕は最後のショットまで食らいつき、戦い続けたことを誇りに思う。僕は今日、自分より優れていた選手に負けた。僕にもチャンスがあったけど、僕はそれを生かせなかった。それだけだ。4時間を超える戦いだった。僕はこの敗北を受け入れなければならない」