「私の原点は家族でのミックスダブルス」優勝会見で語った柴原とクールホフ [フレンチ・オープン]

ともにグランドスラムのミックスダブルスで初優勝の柴原瑛菜(橋本総業ホールディングス/右)とヴェスレイ・クールホフ(オランダ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)のミックスダブルス決勝で第2シードの柴原瑛菜(橋本総業ホールディングス)/ヴェスレイ・クールホフ(オランダ)がウルリカ・エイケリ(ノルウェー)/ヨラン・フリーゲン(ベルギー)を7-6(5) 6-2で下してグランドスラム初優勝を飾り、その喜びを語った。

柴原「今日の勝利がとってもうれしい。グランドスラムのタイトルを獲れるなんて、夢が叶ったみたい。まだ実感がないからじわじわと染み込んでいるところ。今は本当にうれしい」

クールホフ「初めてミックスダブルスでの決勝だった。数年前、USオープンの男子ダブルス決勝で敗れて以来のグランドスラム決勝だった。つまり初めてのグランドスラムタイトルだ。ミックスダブルスで瑛菜と一緒に勝ち獲れたのがとてもうれしい。素晴らしい大会だった。僕らはいいテニスをしている。今大会は初戦で第1セットを落として以来、一つもセットを落とさずに優勝した。物凄い勢いで勝ち上がり、トロフィーを手にできて本当にうれしい」

第1セットはかなり苦戦していた。今日のパフォーマンスはどうだった?

クールホフ「その通りだ。スタートはよかった。5-2までは心地よくリードを奪った。でも、そこから勢いを手放してしまった。5-4で酷いサービスゲームもあった。タイブレークでは2-5から猛反撃した。4-5でヨランのサービスを迎えるなんて、これほどきつい場面はない。でも彼のサービスで2ポイントを奪い、逆転できた。第2セットのほうがよかった。戦術面でもうまく対応した。特にサービスがよくなったと思う。5-2から瑛菜がどうやってサービスゲームで試合を終わらせるのかを教えてくれたんだ」

自分のサービスゲームで優勝を決めるのはどんな気分? どんなことが頭を過ぎった?

柴原「とてもエキサイティングだった。自分のサービスで終わらせるのは楽しかった。最初はファーストサーブを入れるのに苦労したから、デュースサイドでなかなかポイントを取るのが難しかった。でも30-30から何とかして、マッチポイントでは自信を持って打つことができた」

初めてペアを組んで、どうやってここまでいいコンビネーションになった?

クールホフ「最初の試合はあまりよくなかったんだ。第1セットを3-6で落とした。それ以降はいいプレーができている。2人ともベースラインからでもしっかりいいプレーができ、ネットプレーもいい。ミックスダブルスでは女子のサービスがブレークするチャンスだが、瑛菜のサービスは素晴らしく、大きな助けになっている。今日、ブレークされなかったんじゃないか?」

柴原「多分、ブレークされてない」

クールホフ「それが僕らのペアのサービスゲームでの強みなんだ。僕には効果的なキックサービスもある。僕らのコンビはこの14日間に熟成した。大成功だったと思う」

これまでも多くのことを達成したが、今回の優勝は特別なもの?

柴原「とても特別なもの。私は5人家族で育ち、いつも一緒にダブルスをしてきた。私が一番年下だから、4人目の選手として試合に入れてもらえるように頑張っていた。いつも家族でミックスダブルスをしていたのが私の原点。だからこそ、ミックスダブルスでこのタイトルを獲れたことが凄く特別なことなの」

クールホフ「僕も同じだ。僕にとっての最大のタイトルは2020年のATPファイナルズでニコラ・メクティッチ(クロアチア)とのペアで優勝したこと。だからこのタイトルは2番目になる。グランドスラムのタイトルだから、ファイナルズのトロフィーと同じだけ重要だな」

これから優勝をどのように祝う?

クールホフ「いい質問だ。まだ決めていないんだ。お酒を飲むかどうかもわからない。僕は数時間後には自宅まで運転するから、飲めないかな。ガールフレンドが運転してくれるかな? これから2階で食事をしながら、皆で語り合いたいね。話しているうちに、優勝した実感が沸いてくると思う」

SNSでペアを組もうという誘いを瑛菜が受けてくれた。彼女にどんな言葉をかけたい? 今後も一緒にプレーしたい?

クールホフ「間違いなく、“ありがとう”だよ。彼女の返事がくるまで少し時間があったんだ。でも受けてくれて、プレーするのを楽しみにしていると言ってくれた。一度も話したこともなかったんだ。グランドスラム大会やマスターズで彼女がプレーしているのを少し観ただけ。だから彼女のプレースタイルはわかっていたし、自分とよく合うとも思っていた。だからお願いしたし、組んでくれてよかった。こんな終わり方になるなんて、びっくりだ。まだ先のことは話していないから、これから話し合う必要がある」

なぜ、瑛菜と組みたいと思った?

クールホフ「彼女のプレーを知っていたから。パワフルでベースラインでもネットでもいいプレーができる。サービスもいい。すべてが大事だった。ミックスダブルスでは女子のサービスゲームをキープすることがとても重要なんだ。よく相手に狙われてしまうからね。彼女のパワフルなプレーが好きだし、彼女の隣でプレーするのは自分に凄く合うと確信していた。この14日間でいいコンビネーションを作り上げ、最高の結果を得られた」

タイブレーク0-5から決めたバックハンドのリターンエースを憶えている? どんな感触だった?

クールホフ「とてもよかったよ。少し振り遅れたと思う。クロスを狙っていたけど、ライン際は狙っていなかった。最初はあまりリターンがよくなかったから、これを決められてよかった。ヨランのサービスで苦戦していたんだ。でも、4-5のゲームで瑛菜が物凄いショットを決めたとき“俺も一発決めないといけないな”と彼女に言って、しっかり決めることができた。自分でもいいリターンだったと思うよ」

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写真◎Getty Images

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