ベレッティーニがタイトル防衛に王手、決勝の相手はグラスコート未勝利だったクライノビッチ [ATPロンドン]

写真はフィリップ・クライノビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月13~19日/賞金総額227万5275ユーロ/グラスコート)の男子シングルス準決勝で、第2シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)がボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)を6-4 6-3で下して大会連覇に王手をかけた。

 雨による中断があったこの試合でベレッティーニはパワフルなフォアハンドでファン デ ザンツフープを圧倒し、そこに織り交ぜるバックハンドのスライスでも相手を苦しめた。

「厳しい試合だった。僕は多くのチャンスを手にしていたけど、風が強くてプレーし難かった。でも間違いなく、今週プレーした中で最高の試合だったと思う。勝てて本当にうれしいし、決勝を楽しみにしているよ」とベレッティーニは試合後のオンコートインタビューで語った。

 グラスコートでプレーしたここ20試合で19勝を挙げているベレッティーニは右手のケガで小規模な手術を余儀なくされて約3ヵ月の休止期間から戻ったばかりだが、復帰戦だったシュツットガルトで優勝とカムバック以来いい進撃を続けている。

 ベレッティーニは決勝で、第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を6-3 6-3で破って勝ち上がったフィリップ・クライノビッチ(セルビア)と対戦する。

 大会初出場のクライノビッチは風の強いコンディションの中でも自信に満ちた戦いぶりを見せ、深く安定したストロークで優位性を維持した。

「素晴らしい感慨だ。決勝に進出したなんて信じられない。この大会前は一度もグラスコートでの試合に勝ったことがなかったというのに。僕はここで1~2試合に勝てればと思っていたんだ。なのに今、僕は決勝に進出した。これは夢の実現だ」と30歳のクライノビッチは試合後にコメントした。

 本人が言った通り、クライノビッチはこの大会前までキャリアを通してツアーレベルでのグラスコートの試合には一度も勝ったことがなかった。

 過去のツアー決勝で4戦全敗ながら今週のプレーを通して自信をつけているクライノビッチは、「どうなるか見てみよう。やるしかないし、楽しんでみるよ。僕には失うものはないからね。もちろんベストを尽くすよ」と決勝を見据えた。

 世界ランク48位のクライノビッチは今週の活躍で大会後に更新されるATPランキングで少なくとも31位に浮上する見込みで、優勝すればトップ30に復帰することができる。

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写真◎Getty Images

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