ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」（ATP500／イギリス・ロンドン／6月13～19日／賞金総額227万5275ユーロ／グラスコート）の男子シングルス決勝で、第2シードのマッテオ・ベレッティーニ（イタリア）がフィリップ・クライノビッチ（セルビア）を7-5 6-4で下してツアー通算7勝目を挙げた。

　試合を通して14本のサービスエースを決めたベレッティーニはパワフルなフォアハンドと機を見て織り交ぜるネットプレーを武器にアグレッシブな戦いを披露し、前週のシュツットガルトに続きグラスコートで4つ目のタイトルを獲得した。オープン化以降に同大会を初出場から2年連続で制したのは、ベレッティーニが初となる。

「本当に感動している。手術を経て復帰し、2つのタイトルを連続で獲るなんてまったく期待していなかった。このもっとも威信ある大会のひとつで、僕はタイトルを防衛した。僕のチーム、そして家族のおかげだ。ただただ信じられないよ」とベレッティーニは表彰式で語った。

　グラスコートでプレーしたここ21試合で20勝目を挙げたベレッティーニは、同サーフェスでの戦績を32勝6敗とした。過去1年で唯一敗れたのは、昨年のウインブルドン決勝でのことだった。

「シュツットガルトに到着したとき、あまり調子はよくなかったんだ。思い通りにボールを打つことができず、『難しくなるだろうな』と思っていたよ。でもそれとは逆に、蓋を開けてみればかなりうまくいったね」とベレッティーニは振り返った。

　一方で敗れたクライノビッチは、「驚くべき10日間だった。非常に感情的になっているよ」と心情を吐露した。彼は今週までツアーレベルのグラスコート大会で1勝も挙げたことがなかったが、今大会ではジェンソン・ブルックスビー（アメリカ）、予選勝者のサム・クエリー（アメリカ）、第7シードのマリン・チリッチ（クロアチア）らを倒してキャリア5度目のツアー決勝進出を決めていた。

「僕にとってはグラスコートで初の決勝だった。観客の皆さんがとても助けてくれたおかげで母国でプレーしているような感じがしたよ。ベレッティーニにはおめでとうと言いたい。これで僕が彼に決勝で負けたのは2度目だね」

　同大会に初出場だったクライノビッチは、今週の活躍で世界ランクを31位まで上げることになった。

　このあとに行われたダブルス決勝では、第2シードのニコラ・メクティッチ／マテ・パビッチ（ともにクロアチア）がワイルドカード（主催者推薦枠）で出場したロイド・グラスプール（イギリス）／ハリ・ヘリオバーラ（フィンランド）に3-6 7-6(3) [10-6]で競り勝ち今季3勝目を挙げた。

　グラスプール／ヘリオバーラはこれに先立ち、第1セット終了後に日没順延となっていた準決勝でロハン・ボパンナ（インド）／デニス・シャポバロフ（カナダ）を7-5 6-7(4) [10-4]で破っていた。


男子ダブルス優勝のニコラ・メクティッチ（クロアチア／右）とマテ・パビッチ（クロアチア）（Getty Images）

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