「今のところ体調はいい」コロナ陽性のベレッティーニと練習したナダル [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス1回戦で第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)を6-4 6-3 3-6 6-4で退け、試合を振り返った。
「苦戦したが、予想できたこと。彼は高いレベルのプレーを長く続け、簡単なミスもなかった。サービスもフォアハンドも、特にバックハンドが素晴らしかった。いい形で試合を終わらせたのがポジティブだ。間違いなく、プレーレベルを上げられた。それが勝利の要因だ。とてもポジティブな試合だ。よくなっていくことが重要で、この試合がその大きな助けになる」
3年ぶりのグラスコートはどう?
「もうあまり覚えてないな。覚えていないと、今と過去を比べることができない。風が強く、気温が下がるとボールはかなり重くなる。太陽が出て乾燥していればボールが少し速く飛ぶ。ストリングからの感触では、今日はボールが凄く重く感じられた。風もあって難しいコンディションだった。2セットリードして1ブレークアップまではよかった。でも、そこから太陽が目に入ったんだ。アンパイアの右側からサービスを打つのが難しかった。サービスを打ったあと、ボールが一瞬見えなくなった。彼も素晴らしいプレーでプレッシャーをかけてきた。アグレッシブだったね。自分にとってはすべての勝利が助けになる。コートで長い時間プレーできた。それが次に繋がればいい。大事なのは少しでもレベルアップすることで、試合の終盤にできていた。大事な場面でレベルを上げられたのはポジティブなことだ。明日もいい練習をしてリカルダス・ベランキス(リトアニア)との2回戦に備えるよ。謙虚にこの挑戦を受けたい。今の状況は完璧とは言えないが、勝ち進むために最良の方法を見つけなければならない。毎日勝ち残れば、レベルもかなり上がっていくはずだ」
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が愛犬の名前を君にちなんでつけている。そして君が物凄くインスパイアしてくれる存在だと言った。君にとってセレナはどんな存在?
「セレナがそう言ってくれたのはうれしい。テニスの歴史の中で最高の女子選手の一人だ。カムバックのために頑張っている姿は素晴らしい。ここまで凄いことを成し遂げてきたのに、今も変わらずテニスへの情熱と愛情が感じられる。ケガによる長期離脱から復帰するのは本当に難しい。彼女がここにいること自体が、彼女のテニスへの愛の証だ。素晴らしい見本になると思う」
マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)がコロナ陽性で棄権したことについて意見を聞かせて欲しい。君はマッテオと練習したが、大丈夫なのか?
「外で打ち合うだけではあまり移らないようだが、何でも起こり得る。自分は今のところ体調もいい。問題ない。自分のことよりも、彼は素晴らしいプレーをしていたのだから、とても残念。ツアーの中でも仲のいい選手でお互いのことをよく知っている。彼がどれほど悲しんているか、予想できる。同情するよ。この数ヵ月は運に見放されている」
ベレッティーニは、大会側からプレーしたければしてもいいと言われたが棄権した。この決断をどう思う? フレンチ・オープンではどうだった?
「このような問題で対立を生むのは簡単だ。対立を生むなら、そこに対立があることを確かめないといけない。ロラン・ギャロスで陽性者が出たとき、どのような対処だったのかわからない。わからないことについて意見は言えない。ここでは、マッテオは数日間体調を崩していたと聞いた。数日前にATP(男子プロテニス協会)のフィジオに聞いたんだ。そのあとどうなったのかはわからない。そこで言われたのは、症状があるなら、自分の判断で検査を受けることができるということ。そこで陽性だったら、プレーできないと聞いた。いま君が言ったように、陽性でもプレーできるということは知らなかった。体調が悪くても、検査を受けるのは自分の意思だと聞いた。僕がどう思うかに関係なく、ルールがあるならそれに従うしかない。ある選手にとっていいルール、よくないルールもある。でもルールがあるなら、それに従うしかない」
写真◎Getty Images
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