「足について話すのは今日だけだ」足の状態、大会への意気込みを語るナダル [ ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)に向けて、男子シングルス第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が足の状態についてなど語った。
ウインブルドンに戻ってきた心境は?
「いいね。3年ぶりかな? だからこそ戻ってこられてうれしい。ここに来てもう1週間かな。久し振りにグラスコートでのプレーを楽しんでいる。このサーフェスへの適応はいつもチャレンジになる。毎日積み重ねているところだ」
ウインブルドンで優勝できると初めて感じたのはいつ頃?
「2001年か2002年にジュニアで出場し、プロでは2003年が初めて。2003年はとにかく自分がうまくなることしか考えていなかった。僕は優勝できるなどと先のことまで考えるタイプじゃないんだ。僕はただ1日1日を大事に戦ってきた。おかしな野望を抱いたことはない。とにかく毎日が発見だ。自分が大きなゴールを達成できると感じられたときに、そのゴールに向かっていくんだ。2003年はウインブルドンで優勝できるチャンスがあるとはまったく考えていなかった。あの頃の目標は毎日上達して、そのうち上位を狙える選手になることだった。今はまったく違う話になる。ここで何度か成功をおさめてきた。しばらくここに来ていなかったのも事実。大会前に公式戦に出場していない。だから大きなチャレンジだ」
「他のサーフェスに比べると、何が起こり得るのかを認識してそれを自分でコントロールすることを考える必要がある。コートに立つときは毎試合、勝つことも負けることもあり得る。ただ、事前にグラスコートの大会でプレーしていれば、結果は予想しやすい。でも、僕はまったくプレーしていない。しばらくプレーしないでここに来た。それがマイナスだとは感じていない。とにかく日々やるべきことをしっかり続けてスタートから十分戦えると感じられるようにしたい。そのあとのことはすべてが始まってからだ」
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/20997/images/2c99023a09678ffed676fa6a951c877a7c12b4d1.jpg?w=1200)
ウインブルドンの練習会場でショットの感触を確かめるラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)
現在の足の状態は? 新しい治療の効果はあった?
「よくなっているからこそ、今ここにいる。そうでなければここにはいない。ここまでの経過には満足だ。何が起こるかわからないから、不安は常にある。だからこの2週間のことしか話せない。凄く重要なことが2つあった。まず、毎日痛みなく歩くことができている。それが一番重要なポイントだ。朝起きたとき、この1年半ずっとあった痛みが消えたのは凄くうれしい。2つ目が練習だ。全体的によくなっている。この2週間、まったく動けないような酷い日が1日もなかったんだ。もちろん、よくなったり、少し悪化することもある。全体的に状態はいい。痛みに関しては凄くポジティブに進んでおり、それこそが一番大事なことなんだ」
フレンチ・オープン後の治療によって、足は痛みから解放された? あるいは毎朝起きて様子を見ないとわからない?
「君らが問題なければ、今日は足について話すけど、その後はもう話さないつもりだ。僕はいつでもとてもオープンにしてきた。毎日足について話す訳にはいかない。それでは一番大事なテニスの内容について、忘れられてしまうからだ。今は何とも言えない。このような経験は初めてだから。これまでやったことのないことを試してみた。いい状態が1週間、2日間か3ヵ月続くのかわからない。僕が受けた治療はケガを治すものじゃない。ケガがよくなる訳ではないが、痛みを少し和らげることができる。それが目的だ」
「医療の世界、数字の世界は100%予想できないことがある。神経についてだから、足の助けになるかもしれない。神経を刺激してしばらく麻痺させて、その間の回復を目指す。だから麻痺した状態がいつまで続くのかわからない。今後様子を見ないとわからないことなんだ」
「でも僕の人生ははっきりしている。人生で何度もケガの問題に直面してきた。僕はいつもポジティブだから、コートに立つときに“今日は大丈夫かな?”などと考えることはない。少しくらいの痛みがあってもすべてがOKと思ってコートに立つんだ。そこで何か問題が起きたら、それを受け入れる必要がある。もしケガをしたら、もし痛みが出たらなどといつも考えながら戦っていくことはできない。そんなことでは、自分のすべきことに集中できない」
「つまり、僕はキャリアの中でケガとはうまく付き合ってきたと思う。ネガティブな気持ちはない。今日はいい状態だ。うれしいね。一番辛いのは、痛みが大き過ぎてテニスができないことだ。テニスは人生で2番目のもの。人生で毎日どこかに痛みがあることほど、きついことはない。テニス以外で痛みがないなら上々だ。テニスをしない選択肢もある。僕の問題は、毎日歩くだけで痛みがあることだ。それは自分の幸福、ポジティブさに影響を与えかねない。そしていつでもポジティブな姿勢を保つことができなくなる。以上だ。今はポジティブだ。今後どうなるか、様子をみてみようよ」
ナダルは1回戦で、フランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)と対戦する。
写真◎Getty Images
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