「ラファ、ロジャー、ノバクの時間はそろそろ終わる」キリオスがレジェンドたちを称賛 [ATPハレ]
ATPツアー公式戦の「テラ・ウォルトマン・オープン」(ATP500/ドイツ・ノルトライン ヴェストファーレン州ハレ/6月13~19日/賞金総額227万5275ユーロ/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、ニック・キリオス(オーストラリア)が第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を5-7 6-2 6-4倒した。
「簡単に振り返ると、第1セットを落として、続く2セットを奪った。第1セットでは皆も知っての通り、ステファノスが世界最高のプレーを見せた。そう考えると、自分がこのようなレベルの試合でプレーできることに満足している。家族と多くの時間を過ごし、ランキングさえもないような選手と練習して、大きな舞台で世界トップ5の選手に勝てるのはとてもうれしい。俺は多くのファンのためにプレーしている。彼らは今日のような活躍を期待してくれている。毎週毎週大会に出ていなくても、トップ選手を倒せることを証明したいんだ」
この試合でキリオスはスーパーショットを連発してチチパスを打ちのめしたが、イライラを募らせる場面もあった。第1セット0-2でチチパスのサービスゲームの途中、リターンの準備に入るのが遅すぎるという理由でタイムバイオレーションを取られ、怒りを爆発させた。
「アンパイアは俺が遅すぎると言っていた。でも過去のデータを見ると、俺は誰よりも早くプレーしているはずだ。少し混乱したよ。コロナの影響でボールキッズが選手にタオルを手渡すことができない。だから、俺は歩いてタオルを取りに行かないといけない。気温30度の中でチチパスと戦うと、たくさん汗をかくし、それが手先まで落ちてくる。だから手を拭きにいった。アンパイアは俺にタイムバイオレーションを与えるべきだと思ったようだ。プレーする準備が遅いからと。適切ではなかったと思う。必要だと思えなかった。観客は最高のキリオスを観にきているのに、そんなものはこの試合に必要ないんだ。何故タイムバイオレーションを与えられるんだ? 手を拭いていただけだ。相手選手のリズムを崩すためにトイレブレークを長く取るのとは訳が違う。ただ手を拭いているだけだ。そしてできるだけ早く戻るようにしている。結局、彼はそこから2本のサービスエースを決めた。あのタイムバイオレーションは何の意味もなかった」
観客がポイント間に騒ぐことに不満を漏らしたが、雰囲気には満足しているようだ。
「最高だったよ。俺にとって世界中の観客は素晴らしいよ。この数年間、どこでプレーしていても、俺のことを観たいと思ってくれているようだ。俺は最高のショーを披露する。今日、観客がうるさいから試合中にスーパーバイザーを呼んだが、彼らが何を求めてここにきているのか、俺はよくわかっている」
グラスコートのメインイベントはウインブルドンになる。そこでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が復帰することを大歓迎している。
「素晴らしいことだ。人々は偉大なアスリートに敬意を持つものだ。ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、レブロン・ジェームズ(バスケットボール)、セレナ。彼らは本当に貴重な存在。彼らがプレーしたいのなら、皆が受け入れ続けるべきだろう。彼らの時間はそろそろ終わりに近いから、プレーする姿を観られるのは素晴らしいことなんだ。しかも、トップの大会でまだプレーできる。このことは、すべての選手がウインブルドンに出場するべきだといういい例になる。ポイントのために戦うんじゃダメだ。子供たちにとってウインブルドンは憧れの大会。テニスが好きな人だけでなく、あまり観ない人でもウインブルドンは知っている。セレナはポイントの心配をしていないだろうが、出場できる選手は誰もがウインブルドンに出場するべきだ」
グラスコートで強さを発揮する自分の優位性をどう思っているのか。
「例を挙げれば、ヨーロッパの選手は年中クレーコートでの大会だけに出場して、70位くらいにはなれるだろう。地元のヨーロッパを離れることなくね。でも、オーストラリアの選手は地元の家族、友人に会うことなく6~7ヵ月は遠征に出なければならない。俺は今年5大会に出場して世界で50位くらいか(6月13日時点65位)。だが、長距離移動が多い。もし、オーストラリアでグラスコートのツアーが6大会あれば、国を出る必要などないんだ。今はあまり多くの大会に出ていないから、トップ100の選手全員の顔を知らないんだ」
クレーコートで活躍するが、他のサーフェスであまり勝てない選手もいることに不満を感じている。
「2つのサーフェスで全然いいプレーができないのに、どうしてトップ100にいられるのか?というような選手がいる。これは納得できない。キャスパー・ルード(ノルウェー)のことを言っている訳じゃないよ。彼は他のサーフェスでも活躍している。クレーコートでしか戦えない奴のことを言っているんだ。キャスパーはマイアミで決勝にいっているだろ? 間違いなくグラスコートでの大会は増やすべきだ。何も問題はないはずだ。もう何年も主張してきた」
ハレの静かな環境にも満足しているようだ。
「このような大会はいいリフレッシュになる。マイアミのような大きな大会が続くとリラックスして一息つくことができない。このような大会だと静かに過ごせるし、チームと一緒にレストランに出掛けることもできる。この緑に囲まれた静かな環境を満喫できる。俺は大好きだ。オーストラリアではキャンベラで育ったが、物凄く静かな街だ。だから、このような静かな環境が好きなんだ」
キリオスは準々決勝で、第6シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦する。
写真◎Getty Images
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