マレーが9度目の対戦でイズナーに初黒星「何とか切り抜ければその先に何が起きるかわからないという類いの試合だった」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、アンディ・マレー(イギリス)が第20シードのジョン・イズナー(アメリカ)に4-6 6-7(4) 7-6(3) 4-6で敗れた。
同日のセンターコート最後の試合を通して地元イギリスの寵児であるマレーは母国の観客から大声援で後押しされていたが、イズナーはキャリアを通して9度目の対戦にしてマレーに対する初勝利をマークした。マレーの8勝は、すべて股関節の手術を受ける前の2016年までに挙げたものだった。
イギリス時間21時半に終わった試合のあと、イズナーは「僕の年齢では、こういった瞬間を堪能しなければならない。これは僕にとってキャリア最大の勝利のひとつだ。雰囲気は素晴らしかった」と感慨を口にした。
早い段階でブレークを許したマレーに対し、イズナーはいくつかのブレークポイントを凌いで自分のサービスゲームをすべてキープして第1セットを先取した。続く2セットはタイブレークにもつれ、互いにひとつずつを取り合った。
最初の2セットを落としたマレーが奮起して第3セットを取り返したときにセンターコートを埋め尽くした観客たちは熱狂したが、イズナーは第4セット第5ゲームでブレークして3-2とリードを奪った。この日36本のサービスエースを決めたイズナーにとって、ワンブレークあればそのまま試合を終わらせるには十分だった。
第3セットのタイブレーク以外は安定したプレーを見せたイズナーは、どうやって冷静さを保ちマレーのカムバックをかわしたのかと聞かれ、「サービスを打ったんだよ」と笑いながら答えた。
「それがもっとも肝心なことなんだ。僕はラリーに持ち込もうとしていた彼にチャンスをあまり与えなかった。もし彼と多くのラリーすることになったら、僕にとっていい方向に進まなかっただろうね。今日はサービスの調子が信じられないほどよかった。僕は彼を倒すために、そのすべてが必要だった」
ここ2~3年とは違って今回は身体が2週間の戦いに持ち堪えることができると感じていたというマレーは、「ここでもっと活躍できたはずだった。これは、もし何とか切り抜けてさえいれば(その後のラウンドで)何が起きるかわからないという類いの試合だった」という言葉に好機を逃した悔しさを滲ませた。
前哨戦で腹筋を痛めていたものの、この日のマレーは身体の問題を抱えてはいなかった。しかしイズナーのサービスが彼がラリーで輝くチャンスを阻み、特に最初の2セットでのファーストサーブの確率の低さが障害となった。
「ツアーのほとんどの選手が、こういう試合で勝敗を分けるのはほんの数ポイントだと言うだろう。今日は大事なポイントでのプレーが十分ではなかった。そのことで僕がグランドスラム大会で最後のほうまで勝ち上がれるという見解を変える理由は見当たらない」とマレーは試合後の記者会見で考え込むような様子を見せながら話した。
「ランキングを上げてシードを得ようとする理由のひとつは、大会の早い段階でトッププレーヤーやこういった危険な相手に当たることを避けるためだ」
マレーは身体がいい状態である限りツアー生活を続けるつもりでいるが、来年のウインブルドンに戻ってくるとは明言しなかった。
「フィジカル状態によるね。フィジカル状態がよければプレーを続けるさ。この数年間この体にあった問題を考慮すると、先のことを予想するのが物凄く難しい。1週間後も難しいのだから、1年後はさらに難しい。フィジカル状態がよければ続けるが、トップレベルで戦うためにいい状態を保つのが難しいんだ」
写真◎Getty Images
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