「最高の調子ではなかった」シフィオンテクの連勝は『37』でストップ、世界37位の伏兵コルネが金星 [ウインブルドン]

写真は3回戦で敗れたイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス3回戦で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が世界ランク37の伏兵アリゼ・コルネ(フランス)に4-6 2-6で敗れるという波乱が起きた。2月末から続いていたシフィオンテクの連勝は、思わぬところで『37』でストップした。

 引退についても口にしていた32歳のコルネはガッツあふれるプレーでシフィオンテクの打ち込むショットを拾いまくり、徐々に相手のリズムを崩して相手を自分のアリ地獄に引きずり込んでいった。いつものような戦略に沿った賢明なプレーができずにいたシフィオンテクは第2セットも中盤を過ぎると普段はあまり犯さない類いのミスを連発し、合計33本のアンフォーストエラーを犯して沈没した。

 これはコルネにとって、2014年ウインブルドンで当時世界ナンバーワンだったセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を1-6 6-3 6-4で倒したとき以来の世界1位に対する勝利となる。

「イガに対するこの試合に勝ったことは、私にとって本当に誇らしいことだわ」とコルネは試合後にコメントした。

「彼女が今年やってのけたのは、途轍もなく素晴らしいことよ。そして私は彼女の連勝を止めたのが自分だということが信じられない。素晴らしいわ。キャリア2度目の2週目に進めて本当にうれしい」

 1月のオーストラリアン・オープンで元世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)を退けキャリア初のグランドスラム8強入りを果たしたコルネは今大会で、杉山愛の持つグランドスラム62大会連続出場というギネス記録に並んだ。

「私は通常、自分に厳しい性格よ。でもここでの私は試合前に自分がどんなふうに感じていたか、練習しているときにどう感じていたかを知っている。ただ、私は最高の調子ではなかったとだけ言っておくわ。だから、こういうことが起こり得るということはわかっていたの。正しい姿勢じゃないかもしれないけれど、それが現実よ」とシフィオンテクは敗戦後に明かした。

「何とかこのグラスコートで心地よくプレーできるようにいろいろと試してみたけど、うまくいかなかったわ。だからこそ、私は自分に厳しく当たることもしていないの。練習で見つけることができなかったなら、試合でそれを見つけられないというのはある意味で理にかなったことよ」

 1月の時点で今年が自分の最後の年になるかもしれないと話していたコルネはここまでグランドスラム大会で最高の成績を謳歌していることを受けて考え方を変えたかと聞かれ、「いいえ」と答えた。

「そのことがあるからこそ、私はいいプレーができているのだと思う。もうほとんど終わりなのだと知っているからなのよ。私はすべてを捧げている。来年のロラン・ギャロスまではプレーするかもしれない。それがプランよ。でも、この決断を覆すことは考えていないわ。それについては来年に話し、私がメンタル的にどのような状態なのか見てみましょう」

 キャリアの最後が近いと自覚しているコルネは、「1試合1試合に取り組んでいきたいわ。コート1に入っていくとき、私は微笑んでいた。それは『もしかしたらこれがコート1でプレーする最後の機会かもしれない。だからとにかく楽しみ、すべてのいいエネルギーを吸い込むのよ』と思っていたからなのよ」と話した。

 カロリーヌ・ガルシア(フランス)とアルモニー・タン(フランス)に続いてコルネが加わり、3人のフランス人選手が女子シングルス4回戦に駒を進めることになった。

 コルネは次のラウンドで、アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)と対戦する。前年に4強入りしたトムヤノビッチは3回戦で、第13シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)を2-6 6-4 6-3で破って勝ち上がった。

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写真◎Getty Images

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