ナダルが5セットの死闘を制して準決勝へ「素晴らしい選手に対する厳しい試合だった」 [ウインブルドン]

写真は試合後に握手を交わすラファエル・ナダル(スペイン/右)とテイラー・フリッツ(アメリカ)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス準々決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)に3-6 7-5 3-6 7-5 7-6(10-4)で競り勝ちベスト4に進出した。

 第2セット4-3としたあとにメディカルタイムアウトを取ってコートを離れたナダルは腹筋に問題を抱えているような様子を見せていたが、それでも攻撃性を落とすことなく4時間20分を戦い抜いた。終盤の重要なポイントをアグレッシブに戦ったナダルは特に第5セットの10ポイントタイブレークでは高いレベルのプレーで畳みかけ、フリッツに付け入る隙を与えなかった。

「素晴らしい選手に対する厳しい試合だった。今シーズン素晴らしいプレーを見せているテイラーにおめでとうと言いたい。自分から見たらまったく簡単な試合じゃなかったから、準決勝に進めて本当にうれしいよ」とナダルは試合後のオンコートインタビューで語った。

 落としたセットではダブルフォールトでブレークを献上してしまうなど明らかに本調子ではなかったナダルだが、プレーがまずいときにも踏ん張り抜き、やがてレベルを引き上げてくるしぶとさは健在だった。

「体全般は大丈夫だが、正直に言って腹筋の辺りはあまり思わしくない。サービスの打ち方を少し変えなければならなかった。最後まで試合ができないかもしれないと何度も思った。でもコートや(観客からの)エネルギーが助けてくれた」とナダルは試合中に抱えた困難を振り返った。

 ナダルは準決勝で、クリスチャン・ガリン(チリ)を6-4 6-3 7-6(5)で破って勝ち上がったニック・キリオス(オーストラリア)と対戦する。

「プレーする準備が整うよう願う。ニックはすべてのサーフェスで素晴らしいプレーヤーだが、特にここのグラスコートで際立っている。彼は素晴らしいグラスコートシーズンを過ごしており、大きなチャレンジになるだろう。この試合で勝つチャンスを掴むには、100%の状態でなければならない。何とか努力してみるよ」とナダルは準決勝への抱負を述べた。

 フリッツに対する勝利で、ナダルのウインブルドン準々決勝での戦績は8勝0敗となった。肋骨の問題があったとはいえインディアンウェルズ決勝でフリッツに敗れていたナダルは、同じく非常に競った内容となったこの試合で本当に重要な瞬間にビッグショットを放つことができる勝負強さをまたも証明して見せた。

 一方であと一歩というところで勝利を逃したあと少しの間ベンチから動けなかったフリッツは、「試合が終わったあと、僕はあそこに座って泣きたいような気持になった。敗戦のあとにあんな気持ちになったことはこれまで一度もなかった」と悔しさを滲ませた。

 これはまたナダルにとって、5セットマッチで4試合連続となる勝利でもあった。ナダルはオーストラリアン・オープンでデニス・シャポバロフ(カナダ)とダニール・メドベージェフ(ロシア)に、フレンチ・オープンではフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)にフルセット勝利をおさめていた。

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写真◎Getty Images

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