今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」（イギリス・ロンドン／本戦6月27日～7月10日／グラスコート）の男子シングルス4回戦で第2シードのラファエル・ナダル（スペイン）が第21シードのボティック・ファン デ ザンツフープ（オランダ）を6-4 6-2 7-6(6)で退けたあと、試合を振り返った。

「難しい相手に対していい試合だった。6-4 5-2とリードしていたことが、自分のプレーがよかった証拠になる。だが、最後がよくなかった。5-3リードからまずいゲームがあり、問題があった。試合の90％はいいプレーだったと思う」

――この6週間いろいろあったが、今大会の4試合でベストのレベルに近づいているように見える。自分ではどう？

「1日ずつやっていくだけだ。それはいつも同じ。自分が最高のレベルに近いかどうかはわからない。これから何が起きるか予想できない。ポジティブなのは、1、2回戦がよくなかったのに、3回戦で初めてハイレベルなプレーができたこと。そしてこの4回戦ではほとんどの時間でよかった。とても満足している。明日もう1日練習できるから、プレーをうまく調整したい。大会中によくなっているのは確かだ。3年ぶりにここへ来て、準々決勝までこられたことに満足している」

――3月のインディアンウェルズでテイラー・フリッツ（アメリカ）と対戦しているが、現在の体の状態で、グラスコートでの準々決勝でふたたびフリッツと対戦することをどう思う？

「前回インディアンウェルズで対戦したとき、あばら肋骨が折れていたので参考にならない。あのときの痛みは酷かった。まだ骨折だと判明していなかったけど、体に大きな問題があることはわかっていた。痛すぎたよ。彼はいろんな大会で勝っており、このところ調子がいい。先週の大会で優勝したんだっけ？　優勝して、今は準々決勝。マスターズ1000の大会で優勝して、今は凄くいいポジションにいる。ここでポイントを得られないのは、彼にとって痛いだろう。本来なら準々決勝進出で多くのポイントがもらえるはずだからね。素晴らしい選手を相手にタフな準々決勝になるだろう。準々決勝なので、簡単な相手などいる訳もない」

――グラスコートの大会は久しぶりだが、自分が一番うまく順応できたと思うところは？

「わからないな。ここに来るまで注意深くやってきた。この大会に出場するため、メンタル、フィジカル両面で多大な努力をしてきたんだ。皆が知っての通り、ウインブルドンは僕の大好きな大会だ。最後に出場してから3年が経ったから、本当に戻ってきたいという気持ちが強かったからこそ、準々決勝進出に大きな意味がある。大会中にプレーがよくなっているのを実感している。大会の最初より、今のほうがショットの威力が上がっている。フォアハンド、バックハンドのスピードも上がっている。よく練習してきたのに、今日はボレーを2本もミスしてしまった。グラスコートへの順応は簡単じゃない。特に今回は3年間のブランクがある。チャンスを掴むには、このまま前に進んでいくしかない」

ベテランになってネットに出る回数が増えている。若いときに比べてネットプレーへの手応えはどう？

「2008年にここで優勝した。2006年、2007年に準優勝している。それから長い時間が過ぎているから、いろんな面で上達しているはずだ。ただ、若いときもこのサーフェスでいいプレーができていた。明らかに今のほうが運動量は落ちている。トップで戦い続けるのに、フィジカル面で落ちているなら、ほかで補わないといけない。キャリアの中でずっと自分に何かプラスを加えてきた。フィジカルがどんどん落ちていく中で、いろいろなことにチャレンジして、自分のプレーにいつもプラスの要素を加えられたことに満足だ」

腹部にテーピングをしているが、どんな状態？

「質問には感謝しているが、大会前に言ったように、体の状態については大会中に答えたくない。体について話すのは、少し嫌になってしまったんだ。君の質問に答えたくない訳じゃない。自分の体のことでいろいろあって、それに疲れてしまうんだ。申し訳ないが、今は話したくない。でもまだ大会の真っ最中で前に進み続けなければならない。勝ち残っているすべての選手に敬意を表して、毎日最善を尽くしている。今、僕の体は大会を戦い続けられるだけの状態で、自分の勝ち獲りたいものに向かって進み続けたい」